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体・心・病気の悩みなどの医療相談を、街のお医者さんに出演いただいた先生がお答えします。

二の宮越智クリニックの越智五平先生に聞きました!

~ 病気について ~

[小児・小児外科]

Q:生後1か月の男の子です。おへそが大きく出てきました。自然に治るといわれていますがそのままで良いのでしょうか。

赤ちゃんの臍(へそ)の緒は生後1週間までには自然に落ちて、その後は傷跡(瘢痕)になって表面が皮膚に覆われていきます。そうしてへこんだおへそが完成します。ところが瘢痕がなくなって皮膚と腹膜だけになるとでべそ(臍ヘルニア)になってしまいます。
生後2~3か月の頃に臍ヘルニアは最も大きくなります。腹筋が発達してくると徐々にヘルニア門(ヘルニアの出口)が閉じてきて1歳ぐらいまでに70~80%が自然治癒するといわれています。このため「何もしなくてもいいです」といわれてきました。
しかし昔から臍ヘルニアを圧迫すると治癒が早まることは知られていました。その後、綿球やスポンジで臍ヘルニアの奥まで(ヘルニア門の手前まで)圧迫することが考えられました。自然治癒しない臍ヘルニアは減ってきましたが、完全に治癒できない場合もあります。最近ではガーゼを玉にしたものやウレタン製の圧迫材でヘルニア門内まで臍ヘルニアを押し込む方法が考案されさらに治癒率が向上しています。そこで臍ヘルニアの状態によって圧迫方法を決めますが、生後1~2か月から圧迫療法を開始すると平均2か月位で治癒しています。

Q:5歳の男の子です。時々おへその周りが痛くなります。

3歳から中学生くらいまで起きる腹痛で月に1回以上、3か月以上続くものを反復性腹痛(臍疝痛(さいせんつう))といいます。原因がはっきりしないものが多いのですが、便秘、消化性潰瘍、胆道拡張症、卵巣嚢腫などの器質的疾患や過敏性腸症候群、ストレスなどの非器質的疾患があります。胆道拡張症や卵巣嚢腫は超音波検査で診断できることもあり、疑われる場合には行うべき検査です。
非器質的疾患の多くは年齢や環境が変わることにより軽快するものが少なくありません。幼児期に多いのは便秘やストレスによるものです。
腹痛の中でも突然の発症、発熱、嘔吐や下痢などを伴うものには特に注意が必要です。間欠的な腹痛を訴える場合は腸重積症などのイレウスや卵巣嚢腫茎捻転を、そけい部のふくらみを伴う場合はそけいヘルニア嵌頓(かんとん)を疑います。右下腹部を中心に痛みを訴え、発熱や嘔吐などがみられる場合は急性虫垂炎が考えられます。いずれも腸管に血液が流れなくなったり、炎症が起きるため腹痛は次第に強くなります。また発熱や咳、咽頭痛などを伴う場合、小児では溶連菌感染症や肺炎であることもまれではありません。

Q:3か月の女児です。女の子には尿路感染症が多いと聞きましたがどのような病気ですか?

腎臓から膀胱、尿道にかけての感染症を尿路感染症といいます。年長児や小学生以上のお子さんでは排尿痛、背部痛などの痛みを訴えたりできますが乳幼児ではそのようなことができません。
乳幼児の尿が真っ赤な色をしていたら血尿の可能性がありますし、症状がもっと進行すると膿尿(尿に膿が混じる状態)となります。しかし尿路感染症の多くはこのような尿所見がでる前に発熱や顔色が悪い、不機嫌になるなどの症状がでます。かぜや中耳炎などの症状がない場合には尿検査を行って判断します。女の子は外陰部が汚染されやすいこと、尿道の長さが短いことなどで尿路感染を起こしやすいといわれています。また尿路感染症を繰り返す場合は膀胱から尿が腎臓に逆流してしまう膀胱尿管逆流症が疑われます。診断のためには超音波検査や尿路造影検査などが必要です。
尿路感染症が軽症の場合には抗生物質の内服で治療しますが、特に乳児では入院治療が必要なことがあります。感染予防のため女児に限らず男児でもオムツの中の清潔には心掛けて下さい。

Q:今年流行しているマイコプラズマ肺炎について教えてください。

マイコプラズマは細胞膜のないきわめて小さい細菌です。この菌が肺に感染して発熱や乾いた咳を起こします。かつてはオリンピックの年に大きな流行があるといわれていました。幼児から成人まで発症し、特に学童期、青年期に多い傾向があります。
2~3週間の潜伏期間の後、咳と高熱、全身倦怠感が出現します。気管支炎も合併し、喘息症状が出現することもあります。粘度の高い痰により無気肺を起こすこともあります。また、中耳炎や副鼻腔炎を発症することや、発疹が出ることもあります。
血液検査では白血球の増加が少なく、CRP(炎症反応)も発熱等の割には低値です。血清抗体価が高値の場合は診断が確定します。咽頭ぬぐい液による迅速検査は陽性と出ないことも少なくありません。LAMP法というマイコプラズマのDNAを直接検出する方法もありますがまだ一般的ではありません。
このため症状から治療を開始することが多く、まずマクロライド系の抗生物質を用います。有効でない場合はテトラサイクリン系抗生物質やニューキノロン系抗菌薬を用います。
集団生活への復帰は解熱して咳が落ち着いてきたら可能です。

Q:1才6か月健診で包茎といわれました。治療は必要ですか

新生児ではほぼ100%の赤ちゃんは包茎です。1才児でも70%の男の子は亀頭部を完全に露出できません。一方、亀頭部が全く露出できない真性包茎は1~3才で20~30%、3~6才で5~10%、10才以降では2~3%といわれています。つまり成長に伴って真性包茎でも包皮口が広がり自然に治っていることになります。
乳児期から包皮口を拡張する処置も行われていますが、少しでも亀頭部が包皮口から見えるような状態の場合にはこの処置は不要です。むしろ繰り返し包皮口を傷つけることにより、包皮口が狭くなって外傷性の真性包茎になる場合もあります。また、処置により容易に亀頭部が出てくる場合には亀頭全部が露出して戻せなくなる事故もあり、私は積極的には勧めていません。陰茎の自然な勃起が包皮口を拡張して自然に真性包茎が減少していると思われます。
3才以降に亀頭が全く露出できない場合、ステロイド軟膏を毎日陰茎の先端に塗ることで包皮の狭い部分が広がり、包茎が改善することもあります。外傷性に包皮口が狭くなった包茎と小学校以降の真性包茎が手術の対象になりますが、まずはステロイド軟膏による治療を試みます。しかし何よりも大切なのは毎日包皮の上から石けんでよく洗って清潔にしておくことです。

Q:1才の娘がRSウィルス感染症と診断されましたが保育園の登園はいつから良いですか。

RSウィルスはかぜの原因ウィルスの一種で1歳までに50%、2~3歳までにほぼ100%の乳幼児が感染してしまいます。また、一生の間に何度も感染を繰り返します。
感染すると4~5日の潜伏期を経て鼻水、咳、発熱などの症状が数日続きますが多くは軽症で済みます。なかには咳がひどくなり、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴が出現し、さらには呼吸困難を起こし細気管支炎、肺炎へと進展する場合があります。中耳炎を合併することもあります。初感染の乳幼児の3割は悪化し入院による治療が必要です。特に低出生体重児や基礎疾患(心疾患など)があるお子さんは重症化しやすいといわれています。
診断は鼻汁をとって迅速検査すれば確定します。RSウィルスに効く特別な治療法はなく、呼吸状態の改善、水分補給、解熱剤の投与などの対症療法を行います。感染が長引いたり繰り返しますと喘息を発症するリスクが高まります。
飛沫感染や接触感染により感染し、発症後1~3週間はその可能性があります。しかし保育園などで集団生活をされている場合、お子さんの咳が落ち着いて食欲も十分であれば通常の保育に戻って良いと思います。

Q:先日の3歳児健診で尿潜血を指摘されました。超音波検査は必要ですか?

検尿が行われる目的は、先天性の腎臓や膀胱の異常、腎炎、尿路感染症の発見のためです。尿に潜血を認めた場合、腎臓、尿管、膀胱の尿路系の異常として水腎症や膀胱尿管逆流症などが疑われます。そこで診断で最も有用な検査は超音波検査です。
超音波検査はご存じのように妊娠中の子宮や胎児の検査に用いられています。この検査は乳幼児でもほぼ全身の疾患に用いられています。また乳児では激しく泣いたりすると腹部の触診は困難ですが、超音波検査はこのような場合でも診断可能です。
腹部の病気で頻度が高いものには腎尿路奇形が挙げられ、乳児期にもかなりの水腎症が発見されます。このため今年度から3歳児健診で尿の異常が認められた場合には尿の再検査、血液検査に加えて超音波検査も行われるようになりました。
そのほか乳児期に超音波検査で診断すべき主な病気としては先天性股関節脱臼や悪性腫瘍がありますが、いずれも早期発見により障害の予防や治癒の可能性が高くなります。したがって3歳児健診の前に機会があれば超音波検査を受けることをお勧めします。

Q:5才の男児ですが溶連菌感染症といわれました。注意すべきところを教えて下さい。

溶連菌感染症は主にA群溶血性連鎖球菌の感染で起きます。かぜと思ってそのままにしたり、不十分な治療では急性腎炎、リウマチ熱、心臓弁膜症などの合併症を来す疾患ですから、早期に的確な診断と十分な治療、経過観察が必要です。また、これらの合併症は3歳以上に起こりやすく注意が必要です。
症状はのどが赤く腫れて痛む、高熱が続く、首のリンパ節が腫れる、頭痛、腹痛、悪寒などが見られます。舌がイチゴの表面のようになることがあります(いちご舌)。また、小斑点状の皮疹が発症後3日以内に全身に広がり、痒みを伴うこともあります。
診断は咽頭粘膜ぬぐい液による迅速検査が一般的で、10分程度で結果が得られます。迅速検査は似たような症状を呈する川崎病、プール熱、伝染性単核球症などの鑑別にも有用です。
治療で最も大切なことは適切な抗生物質を10日間服用することです。発熱があったり皮疹がある場合には家庭で安静にします。抗生物質服用開始後24時間以上経ってこれらの症状が消失し、食欲や元気がある場合には感染の可能性は低いといわれていますので抗生物質を服用しながら登園、登校は可能です。

Q:5歳の息子ですが、右側の耳の下が腫れて痛いようです。何かの病気でしょうか?

耳下腺が腫れて痛みを訴える病気でまず考えなければいけないのは流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)です。唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)の腫脹(腫れ)は片側あるいは両側にみられます。通常は痛み、嚥下痛、および発熱を伴います。感染しても発症しない不顕性感染も30%以上あります。患者の約60%は3 ~ 6 歳の幼児であり、なかでも4歳児が最も多いといわれています。
感染は飛沫や接触によるもので、2 ~ 3 週の潜伏期間を経て発症します。臨床症状や流行状況で診断されることが殆どですが、確定診断は血液検査で行われています。治療法は痛みや腫脹、発熱に対する対症療法が基本です。
ムンプス感染で重要なのは合併症です。約10%に無菌性髄膜炎がみられます。思春期以降の男性の20 ~ 30%に精巣炎が、女性の7%に卵巣炎を合併するといわれています。また、難治性の難聴も比較的高頻度で発生し、後遺症として残ってしまいます。
そこで大切なのは予防です。ムンプスワクチンには1000~ 2000 人に1人の割合で無菌性髄膜炎がみられますが殆どは後遺症もなく治癒します。ワクチン接種の効果は90%以上であり、様々な合併症を来すことから1歳を過ぎたら接種すべきワクチンです。

Q:夏に気をつけたい子どもの病気について教えてください。

暑くて湿気の多い夏は、暑さ対策、水分補給、肌のトラブルなどに気を使う毎日でしょう。成人に比べて体表面積が相対的に大きい乳幼児では熱中症、特に脱水には注意が必要です。この季節に増える汗疹では汗管が詰まることにより丘疹が多発します。かゆみのため肌を引っ掻くと傷口からばい菌が入ってとびひになることもしばしばです。汗をかいたら着替えたり、シャワーや行水で洗い流すことが有効です。さらに発汗を促したりかゆみを抑えるようなぬり薬を使うことも役立ちます。

夏かぜが流行るのもこの時期です。エンテロウィルスによるヘルパンギーナや手足口病では口の中が痛くなり経口摂取が困難になることもあります。さらに夏かぜのウィルスは中枢神経系(脳、脊髄)の中に入り込みやすく無菌性髄膜炎を起こすことがあります。咽頭炎の症状が強く出るアデノウィルス感染症やA 群β溶血性連鎖球菌による溶連菌感染症も流行し続けます。前者は40 度近い高熱が4、5 日続き、時には結膜炎まで発症し咽頭結膜熱に発展することがあります。後者では迅速検査により溶連菌感染症が確定した場合、一生の問題となり得る腎炎やリウマチ熱を予防するために適切な抗生物質を10 日間服用する必要があります。

Q:1才の女児です。おでこに赤あざがありレーザー治療を勧められています。早く治療した方がよいですか?

血管腫(赤あざ)は血管が増殖した腫瘤で、小児の軟部組織腫瘍の中では最も多くほとんど良性です。血管腫の中には成長するにつれ自然に消えてしまうものとそうでないものとあります。出生後から次第に大きくなるものに苺状血管腫があります。生後6か月ぐらいまで急速に増大し、7才頃までに自然に消えてしまうといわれています。この血管腫の場合は経過観察でも良いのですが、発生した部位や出血を伴う場合には早期の治療が必要です。
血管腫の種類にもよりますが最近ではレーザー治療が広く行われています。単純性血管腫では第一選択の治療とされています。しかし、痛みを伴いますし、発生部位によっては全身麻酔が必要です。
1960年頃から報告されている方法に持続圧迫療法があります。特に苺状血管腫では早期から行えば2、3年以内に消失することも多いです。なお圧迫方法はテープや包帯を用いますので、特にお子さんに痛みなどの苦痛を与えることはありません。また、持続圧迫療法を併用することによりレーザー治療を短期間で終了することも可能です。

Q:3歳の男児です。水いぼが増える一方ですが病院ではとらないそうです。とるのは良くないのですか?

水いぼ(伝染性軟属腫)はウィルス性の伝染病です。皮膚の軟らかいところに小さなイボが多発することが多いです。そのイボが破れてウィルスが含まれる体液に接触することにより感染します。
治療法としてはピンセットで切除する方法が主に行われてきましたが、液体窒素で凍結したり硝酸銀で焼灼する方法、漢方薬(生薬)を飲む方法、局所を消毒する方法なども行われています。切除する方法は麻酔テープを使えば痛みは軽減しますが、出血を伴いお子さんに恐怖を与える可能性は高いでしょう。また、多発している場合に全てを一度に切除できるものでもありません。
水いぼは放置していても半年から1、2年で免疫ができて自然治癒するものがほとんどです。従って免疫ができるまでは切除しても再発することが多いものです。特に集団生活を送っている場合、水いぼは皮膚同士の接触や遊具などの共用などから感染することが多いといわれています。プールの時期になると水いぼ切除の希望が増えますが、切除しても感染しないということではありません。なお学校保健法では水いぼがあったとしてもプールは禁止されていません。

Q:麻疹(はしか)が流行しているといわれていますが、どのように対処すればいいですか?

麻疹(はしか)は麻疹ウィルスによる主に小児期の感染症です。飛沫感染、接触感染および空気感染しますので感染力は非常に強いものです。感染すると肺炎、中耳炎を来したり脳炎を発症することもあり、1000人に1例くらいの死亡例もあります。手洗いやマスクだけでは予防できず、麻疹ワクチンの接種が唯一有効な手段です。
平成19年と20年に10歳代以上を中心に麻疹が流行したため中学生と高校生に麻疹ワクチンの2回目の接種が行われ感染数は激減しました。平成22年以降では麻疹ウィルスは海外由来型のみです。
現在までに昨年1年間の麻疹患者数(232例)を超えて流行しています。4月9日現在253例の届出があります。その中で乳児が30例、予防接種歴のない1歳児が23例と麻疹ワクチン接種ができない、あるいは接種が遅れた乳幼児が多く含まれています。1歳の誕生日を迎えたら直ちに麻疹・風疹ワクチンの接種をしてください(定期接種)。なお、麻疹ワクチンはどの年齢でも接種可能です(任意接種)。最も大切なことは麻疹ワクチンを接種できない乳幼児を守るために麻疹の免疫を獲得できていない成人がワクチン接種をして麻疹に感染しないことです。

Q:溶連菌感染症について症状と対処法を教えて下さい

溶連菌感染症は溶血性連鎖球菌(以下、溶連菌)の感染で起きる病気です。大部分はA群溶連菌で、不十分な治療では急性腎炎、リウマチ熱、心臓弁膜症などの合併症を来す疾患ですから、早期診断と十分な治療、経過観察が必要です。
3才未満では感冒(かぜ)と見分けるのは困難です。3才から15才では、のどが赤く腫れる、高熱が続く、首のリンパ節が腫れる、頭痛、腹痛、悪寒などが見られます。また、舌の表面がイチゴの表皮のようになったり(いちご舌)、小斑点状の皮疹が発症後3日以内に全身に広がり、痒みを伴うこともあります。
診断では咽頭粘膜ぬぐい液による迅速抗原検出テストが一般的で、10分程度で結果が得られます。似たような症状を呈するものに川崎病がありますので迅速検査はその鑑別にも有用です。
治療で最も大切なことは抗生物質(ペニシリン系、セファロスポリン系など)を10日間以上服用することです。発熱があったり皮疹がある場合には感染の危険性もあり家庭で安静にします。抗生物質服用開始24時間以上経って、これらの症状が消失し食欲や元気がある場合には感染の可能性は低いといわれていますので、抗生物質を服用しながら登園、登校は可能です。

Q:RSウィルス感染症というのはどのような病気ですか?

RSウィルス感染症とはRSウィルス(respiratory syncytial virus)の感染による呼吸器の病気です。 これはかぜの原因ウィルスの一種で1歳までに50%、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染してしまいます。また、一生の間に何度も感染を繰り返します。
感染すると4~5日の潜伏期を経て鼻水、咳、発熱などの症状が数日続きますが多くは軽症で済みます。しかし重症になってくると咳がひどくなる、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴[ぜんめい]が出現する、ひいては呼吸困難を起こし細気管支炎、肺炎へと進展してしまいます。中耳炎を合併することもあります。初感染の乳幼児の7割は上気道炎症状のみで数日で軽快しますが、3割は悪化し入院による治療が必要です。特に低出生体重児や基礎疾患のあるお子さんは重症化しやすいといわれています。RSウィルスに効く特別な治療法はなく対症療法を行います。また、感染を繰り返したりすると肺機能に影響を及ぼし、喘息などを発症するリスクが高まります。
飛沫感染と接触感染により感染します。流行期には人が集まるところは避けるようにしましょう。再感染以降では風邪程度の症状ですので、年長児や成人では感染に気づかないことがあります。マスク、手洗いを励行して赤ちゃんに接するようにして下さい。

Q:急に高熱を出したので受診したらプール熱と言われました。最近、プールに行っていないのですがプール熱ですか?

夏にプールで集団的に感染することからプール熱といわれています。病原菌はアデノウィルスで(アデノウィルス感染症)、汚染されたプールの水を介して、のどや目から感染してしまいます。高熱の他、のど(咽頭)がはれて、結膜炎も来すことから、咽頭結膜熱ともいわれています。
唾液や目やに、あるいは便から感染しますのでプールの時期のみならず、特に子どもたちが集団生活をする環境では一年中局所的な流行が見られます。
プール熱の典型的な症状は高熱、のどの痛みや腫れ、それに結膜の充血です。また小さいお子さんでは下痢や嘔吐が主な症状です。アデノウィルスの種類によっては流行性角結膜炎を発症する場合があり、視力障害を来すこともあるので注意が必要です。
治療は特定のものはなく対症療法が主体です。3~7日の経過で症状は軽快していきます。きわめて感染力が強いので、集団生活への復帰は主要な症状が消えてから2日間経過するまで控えて下さい。

Q:生後2か月の息子が便秘ぎみです。母乳が足りていないのでしょうか?

排便回数は個人差が大きく、一日に数回排便がある子もいれば、2、3日に1回しか排便しない子もいます。新生児期からおなかが張って、毎日排便がないような場合には小児外科的疾患をまず疑わなければいけません。新生児期には排便が一日1回以上あり、その後便秘気味になってしまった場合はその可能性は低いと思われます。母乳不足も便秘の原因となりますが、体重増加が順調であれば、母乳は足りていると考えられます。
赤ちゃんの便秘はしばしば生後1か月頃から見られます。そして離乳食が始まる頃には自然に治ることもあります。一方、離乳食が始まって便秘になってしまうこともあり、さまざまです。
直腸にある排便の中枢は「第2の脳」といわれており、非常に複雑な仕組みで排便をコントロールしています。その排便中枢を様々な方法で刺激して排便習慣をつけてあげることが重要です。具体的には綿棒で肛門を刺激したり、内服薬、浣腸などで排便を促します。これらが癖になるのではと心配されることが多いのですが、規則正しい排便習慣が確立されるまで継続することが大切です。

Q:おたふくかぜにかかったことがあるのに、また耳の下が腫れました。おたふくかぜに2度かかることはありますか?

最初の感染がおたふくかぜではなかった可能性が高いと思います。おたふくかぜにかかってムンプスウィルスに対する抗体ができると、おたふくかぜに再びかかることはありません。耳下腺(じかせん)が腫れたという症状や臨床経過から診断され、血液の抗体価(こうたいか)が測定されなかった場合は診断は確定されません。
ところでおたふくかぜ(ムンプス)ワクチンを接種しても抗体が上昇しないことがあり、このような場合にはおたふくかぜにかかります。同様におたふくかぜにかかっても、一度上がった抗体価が再び減少してしまう場合もあり、再び感染する可能性がでてきます。
おたふくかぜは耳下腺部の腫れや痛みという症状があるだけでなく、合併症として髄膜炎や睾丸炎(男性不妊の原因)などを起こすことが知られています。また大切なことは重篤な難治性の難聴(ムンプス難聴)がかなりの頻度で起こり、多くは片側性ですが後遺症として残ってしまいます。おたふくかぜの3分の1は不顕性(ふけんせい)感染といって症状がありませんが、このような場合も難聴の原因になるといわれています。したがって1才を過ぎたらムンプスワクチンを接種することが必要です。

Q:中耳炎の見分け方と治療方法、ならないように気をつけることがあれば教えて下さい。

急性中耳炎は子どもに多く(70~80%)、特に乳幼児の占める割合はそのうち75%です。幼児期以降は痛みを訴えたり、耳だれが出てわかりますが、乳児期では耳をよく触ったり、不機嫌や夜泣きが止まらないという症状の他、発熱のみということもあります。中耳炎のほとんどがかぜをきっかけに発病しています。鼻水や鼻づまりを伴う場合には、中耳炎の合併も疑います。また、中耳に液体が貯まっても鼓膜に発赤や痛みを伴わない場合には滲出性中耳炎といわれます。
診察では耳鏡を用いて鼓膜をみますが、しばしば耳垢がたまっていて十分に観察できません。また中耳炎がある場合、耳介を引っ張ると痛みを増強させます。そこで鼓膜に音を当てて貯留液を確認する簡便な検査器具で、中耳炎の有無、程度を判断しています。
急性中耳炎で痛みを伴う場合には、まず鎮痛剤を用います。有効な抗生物質を早期に用いることも有効です。また中耳に膿が貯まっている場合には耳鼻科で鼓膜切開が行われることもあります。
成長に伴い中耳炎は減りますが、それまでに乳幼児では鼻汁の排泄を促す薬の内服や鼻水を積極的に吸引してあげるのも有効です。

Q:ロタウィルスの予防接種の副反応といわれている腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)について教えて下さい。

はじめに乳幼児の腸重積症はロタウィルスワクチンの副反応とは限りません。腸重積とは腸の一部が肛門側の腸の中にはまり込んでいく状態で、腸管は詰まり血流が悪くなります。このため腸管が壊死し、破れて腹膜炎という経過をたどります。したがって、いかに早く発見して治療するかが重要です。
一般に生後4か月から1才半の乳幼児に好発します。突然、顔面蒼白となり激しく泣き出し、これが約15分毎に繰り返されます。さらにイチゴゼリー状の粘血便やおう吐もみられます。診断は症状と、腹部に重積した腸管を腫瘤(しこり)として触れ、直腸診や浣腸で血便を認めたり、さらに超音波検査で確定します。腹部レントゲン撮影をして、穿孔や腹膜炎がない場合にはバリウムや空気で肛門から造影を行い、重積した腸管を口側に押し出すことにより治療されます。発症から時間がたってしまい腸管の壊死や腹膜炎が疑われる場合には緊急手術が必要です。
腸重積症の原因の多くは不明です。感冒や下痢が先行することや、むしろ健康的な乳幼児に多いともいわれています。まず、症状から腸重積症ではないかと疑うことが大切です。