ホーム » つくまるチャンネル » 街のお医者さん相談室 » 二の宮越智クリニック質問 困ったときの対処法

つくまるチャンネル

街のお医者さん相談室 Tsukumaru Consultation »

体・心・病気の悩みなどの医療相談を、街のお医者さんに出演いただいた先生がお答えします。

二の宮越智クリニックの越智五平先生に聞きました!

~ 困ったときの対処法 ~

[小児・小児外科]

Q:生後3週目の女児です。哺乳後のげっぷがうまく出せません。 NEW

赤ちゃんは哺乳後にげっぷが出ると落ち着きます。哺乳時に空気も同時に飲み込んでしまいおなかが張っています。飲み込んだ空気を出すのがげっぷ(排気)です。
生まれながらにして上手にげっぷができる児もいますが、なかなかげっぷができなくて嘔吐してしまう児もいます。赤ちゃんの胃は大弯側(立位では下の方)が前上方に上がっている胃軸捻転状態で、飲み込んだ空気はそこに貯まります。胃が張ってしまうと呼吸は苦しくなり、さらに腸に流れた空気のため胃が押し上げられると十分にミルクが飲めず不機嫌になってしまいます。
げっぷの方法は向かい合わせに立て抱きし、赤ちゃんの上体を前傾させる姿勢(お母さんがソファの背もたれに寄りかかり、45度の傾斜ができる状態)を維持します。そうすることにより胃軸捻転状態が軽減し、空気が食道の方に移動するので排気し易くなります。背中を軽くたたいたり擦るのもいいですが、げっぷが出るまでゆっくり待ちましょう。
嘔吐の回数が多い、噴水のように吐く、あるいは吐物に血液が混じっている場合、胃食道逆流症や肥厚性幽門狭窄症が疑われます。いずれも適切な処置が必要ですので小児外科を受診しましょう。

Q:1歳の男の子がいます。一人歩きができるようになりけがが心配です。対処のポイントを教えてください。

昔から男の子は女の子よりけがが多く、女の子の8倍といわれてきました。しかし最近では女の子もしばしばけがをします。頭部、顔面の傷や四肢末端のけがは出血が多くても、傷口はそれほど大きくない場合が殆どです。出血してるところを軽く圧迫しているとしばらくすると止血します。
切り傷や裂傷で縫合(縫うこと)したら傷跡になるのではと心配をされる方がいらっしゃいます。しかし傷はテープのみでは十分な固定ができず、後になって傷跡が広がったり、盛り上がったりしてしまうことがあります。もちろん適切な縫合が必要です。また受傷直後から創傷被覆材(ハイドロコロイドドレッシング)を用いる方がいらっしゃいます。切り傷では浸出液で傷口が広がるので好ましくありません。
また傷口の洗浄はお子さんがとても痛がるので多くの場合は不十分です。そのため感染を起こして治癒が遅れる場合があります。洗浄にこだわることもありません。傷は治癒が早いほど傷跡を残す確率が低くなりますので適切な処置をしましょう。

Q:8か月の乳児です。2回下痢止めをもらいましたがなかなかよくなりません。

乳児の下痢では発症が急であったり、不機嫌や腹痛を伴う場合には感染性の下痢を考えるべきです。また、嘔吐や、ミルクを飲まない、食事をとらないなどの症状がある場合には脱水も生じます。多くはロタウィルスなどウィルス性胃腸炎です。ロタウィルス感染はワクチン接種により減少し、重症化することも激減しました。風邪に伴う下痢症はまだまだ流行しますが、整腸剤などにより数日間で改善します。しかし、中には病原性大腸菌など抗生物質投与が必要な場合もありますし、ノロウィルスによる胃腸炎など重症化するものもあり注意が必要です。
乳児期の長く続く下痢のほとんどは感染性のものではありません。このような場合は赤ちゃんは機嫌もよく、食欲もあります。普段の便の状態と違って水様である場合には下痢ですが、離乳食やミルクの変更により、腸内細菌が変化することにより長引くことがあります。便の性状が完全に元に戻らなくても整腸剤などによって少しでも改善するようであれば、腸の状態がよくなるのを待ちましょう。また下痢便の場合、おむつかぶれが生じたり、悪化することがありますので気をつけましょう。

Q:生後6か月の女児ですが離乳食が始まって便が毎日出なくなってしまいました。

排便が3日以上ない場合に便秘症といわれます。自然排便を期待して待っていると、便が出ないことに慣れてしまいます。新生児期に正常な排便があった赤ちゃんには外科的疾患はまずありません。ところでこの時期に一日数回あった排便が、生後1か月過ぎてから回数が減ることもよくあります。一日の排便回数が少なくなっても、便が硬くなく赤ちゃんも苦しまずに排便するようであれば問題はありません。
このような排便回数の減少は赤ちゃんの食生活(離乳食の開始、変更など)が関係すると考えられています。排便回数が減ると便が硬くなり太い便が出るようになるため肛門が切れて切れ痔(裂肛)を来すことがあります。こうなると排便したくなくなりますので便秘はますます悪化してしまいます。
便秘症になった場合、最も大切なことは正常な排便習慣が得られるまで治療を継続することです。乳幼児では肛門刺激や薬物による治療が中心となります。適切に行われれば「便秘の治療」が癖になることはありません。

Q:赤ちゃんのおしりのケアと便秘対策を教えて下さい。

赤ちゃんの排便は新生児期、特に母乳栄養では一日に何回も軟便(時には水様便)がみられるのが普通です。このためしばしば肛門の周囲が赤くただれてしまいます。軟便には消化酵素が沢山含まれるためおしりの皮膚がその酵素により消化されて傷ついてしまいます。したがって便が付着している場合には温水で流して落としましょう。皮膚が赤くなってしまった場合には少量のステロイドが含まれた軟膏で治療します。
新生児期から毎日排便がない場合には肛門刺激で排便を促しましょう。なかには手術が必要な病気もありますがまれです。便秘は3日以上自然排便がない場合とされていますが、肛門刺激で排便するようならまず心配ありません。便秘は排便習慣が未熟なために起こるので、肛門刺激をしてこの習慣を付けてあげることが大切です。
便秘の中には肛門周囲の皮膚炎、硬い便などにより生じた切れ痔(裂肛)、肛門周囲膿瘍などの痛みが原因になることがあります。このような場合、便秘の治療に併せて肛門部の治療も行うことが大切です。便秘に対する肛門刺激や薬物療法は原則として排便習慣が確立するまで続けましょう。

Q:保育園に通うようになりしばしば発熱しています。必ず医療機関を受診した方が良いでしょうか。

母乳栄養により乳児期には感染に対する抵抗力(免疫)がある程度ありますが、お母さんにすべての免疫がある訳ではありませんから6か月までの乳児でも感染症にかかります。この感染に対する免疫は予防接種や病原菌の感染により作られていきます。
保育園や幼稚園に通うようになると、同世代のお子さんや保育士さんたちに接するようになり、感染の機会が一気に増えます。もちろん乳児期でも兄弟がいたり集団の中にいる機会が多い場合も感染症に罹り易いです。
流行っている感染症にもよりますが、発熱しても元気で食欲もあるようでしたら直ちに受診することはありません。不機嫌が続く、ぐったりしてきたなどの症状があれば受診が必要です。
したがって38℃以下の発熱で食欲もあり機嫌もいい場合には、短時間の入浴も構いません。発熱や下痢では水分補給が最も重要ですがまずはお子さんが飲めるものを与えていただければ十分です。
感染症の予防には予防接種が何より大切です。インフルエンザも生後6か月から接種可能で他の予防接種と同時接種もしています。

Q:生後10か月の乳児です。最近ますます何でも口に入れてしまいます

乳児期から幼児期前半は口で確かめる口唇期といわれています。発達においは必要な行動ですが、ものをのどに詰まらせたり、気管に吸い込むと大変です。まず大事なことは危険なものはお子さんの手が届かないところに置く習慣をつけることです。
飲み込んで食道や胃、腸管に入ると消化管異物となります。直ちに生命を脅かすことは少ないと思いますが、ボタン型電池や磁気治療器の粒状の磁石は胃や腸管に穴を開けてしまいます。食道にひっかかるものとして、ピアス、安全ピン、おもちゃなどがあります。つまり口の中に入るものは何でも異物となります。ところで危険なのは喉頭、気管、気管支などの気道異物です。幼児では直径が10mm以下のものは容易に吸い込みます。ピーナッツなどの乾燥した豆類は小さなものでも気管に留まると、水分を吸って膨張して気道を閉塞し窒息を来します。ぶどうなど軟らかいものも吸い込むと気管に詰まって窒息してしまいます。お子さんが何かを口に入れてるときには驚かせたり、泣かせたりしないようにしましょう。
気道異物の場合には窒息に対する緊急の対応が必要です。まずは救急隊へ連絡し、その間にもできる限りの方法で異物の排出を試みて下さい。

Q:生後3週目の新生児ですが哺乳のたびに吐いてしまいます。

赤ちゃんはしばしばミルクを吐きます。時には大量に吐くこともありますが、顔つきや機嫌が良い場合はまず心配いりません。哺乳時には空気も同時に飲み込んでおり、飲み込んだ空気を出すのがげっぷ(排気)です。
赤ちゃんの胃は大弯側が前上方に上がっている胃軸捻転状態であるため、飲み込んだ空気はそこに貯まります。胃が張ってしまうと呼吸は苦しくなりますし、腸に流れた空気で胃が押し上げられると、空腹になっても十分にミルクが飲めず不機嫌になってしまいます。嘔吐し易い赤ちゃんは立て抱きにして上体を前傾させる姿勢で抱っこしていると、胃軸捻転状態が軽減して排気し易くなります。
嘔吐の回数が多い、噴水のように吐く、あるいは吐物に血液が混じっている場合、中には新生児期から注意すべき疾患があります。代表的なものに胃食道逆流症と肥厚性幽門狭窄症が挙げられます。前者は胃の入り口の閉まり具合が悪く胃内容が逆流する疾患で、後者は胃の出口(幽門)の筋層が肥厚して狭くなり胃内容が流出しにくくなる疾患です。いずれも適切な処置が必要ですので小児外科受診をお勧めします。

Q:2歳になる子どもがしばしば転びます。顔などを傷つけた場合どのようにしたら良いでしょうか。

歩き始めのお子さんだけでなく、子どもたちはいろいろな場面でけがをします。頭や顔、四肢末端のけがは出血量が多いのですが、傷口はそれほど大きくない場合が殆どです。まずお子さんが痛みや恐怖を軽減できるように勇気づけ、出血してるところを軽く圧迫してください。しばらくすると止血します。
顔面の傷は縫合(傷を縫うこと)した方が良い場合が少なくありません。縫合したら傷跡になるのではと心配をされる方もいらっしゃいます。しかし傷はテープ固定のみでは傷の奥にスペースができて血液が貯まってしまうため、後になって傷跡が次第に広がったり、へこんでしまうことがあります。内出血して腫れた傷が後で陥没してしまうのも同様の機序です。勿論、縫合もそれぞれの傷にあった正しい方法が行われることが大前提です。
ところで切り傷や擦り傷に受傷直後から創傷被覆材を用いると、傷が浸出液でふやけてしまい、かえって治癒が遅れることがあります。やけども同じですが傷の治癒に時間がかかってしまうと傷跡や瘢痕を形成してしまいます。

Q:生後3か月の女児です。鼻汁が続いて、特に夜間は鼻づまりで苦しそうです。

乳幼児が鼻水が出るのを放置してはいけません。このお子さんのように鼻づまりで夜間十分睡眠できないのはとても危険です。生後2か月以降の乳児ではしばしば急性中耳炎を発症します。子どもの中耳炎の75%を乳幼児が占めているといわれています。
乳児期の中耳炎の症状は耳をよく触ったり、不機嫌や夜泣きが止まらなかったり、繰り返す発熱などが挙げられます。診察では耳鏡を用いて鼓膜の状態をみますが、しばしば耳垢がたまっていて十分に観察できません。鼓膜に音を当てて貯留液の有無を確認する簡便な検査器具(アコースティックオトスコープ)を用いると、中耳炎の有無、程度が容易に判断できます。痛みや発熱には鎮痛解熱剤を用いますが、細菌感染がある場合には抗生物質が必要です。さらに中耳炎の程度によっては鼓膜切開が行われることがあります。
乳幼児では鼻汁の排泄を促す薬や炎症を抑える薬の内服を続けることもあります。しかし何といってもご家庭で頻回に鼻汁吸引することが大切です。したがってその手技の説明を含め、実際に鼻汁吸引することも小児科の重要な役目だと思います。

Q:子どもがイヌにかまれたときはどのようなことに気をつけたら良いでしょうか。

我が国ではイヌやネコなどによる動物咬傷で病院を受診した例は年間4,000件に達するといわれています。なかには不幸にも生命に関わるほどの事態に至る場合もありますので特に小さいお子さんでは注意が必要です。
国内ではイヌによる咬傷は飼い犬によるものが多く狂犬病の心配はまずありません。しかし、海外ではイヌの他、コウモリなど野生動物による咬傷で年間3.5万~5万人の狂犬病による死亡例が報告されています。
動物の口腔内には多数の細菌がいるため感染のリスクが高く、特に最初の処置においては十分な洗浄と消毒が必要です。イヌによる咬傷は傷も深く出血も多いのですが、まず洗浄したら圧迫して止血することが大切です。なかなか止血しない場合や傷口が大きい場合には一次的に縫合することもありますが、一般には感染を見越して直ちには縫合せずに開放創としておくのが原則です。感染が落ち着いたら特に顔面などでは必要に応じて二次的に縫合する場合があります。処置に加えて重要なのは適切な抗生物質の投与と破傷風の予防です。

Q:生後3か月の男児です。排便が毎日はなく時々便に血が混じります。

新生児期に毎日排便がない場合にはヒルシュスプルング病や肛門狭窄など外科手術が必要な疾患も考えられます。このような場合赤ちゃんは腹部が膨満し、息んで苦しそうです。
排便が3日以上ない場合には便秘症といわれます。一方、新生児期に一日数回あった排便が、生後1か月過ぎてから排便の回数が減ることはよくあります。排便回数が少なくても便が硬くなく、赤ちゃんも苦しまずに排便するようであれば問題はありません。
排便回数の減少には赤ちゃんの食生活(離乳食の開始、変更など)が関係することも考えられますが、たまたま排便がなくリズムが狂ってしまうこともあります。新生児期に正常な排便があった赤ちゃんは先に述べたような外科的疾患ではなくいわゆる便秘症です。排便回数が減ると便が硬くなったり、太い便が出るようになるため肛門が切れて切れ痔(裂肛)を来すことがあります。こうなると排便したくなくなりますので便秘はますます悪化してしまいます。
便秘症といわれた場合、最も大切なことは正常な排便習慣が得られるまで治療を継続することです。治療は肛門刺激や薬物による治療が中心となりますが、適切に行われればこれらが癖(習慣)になることはありません。

Q:生後3か月の男児ですが、鼻汁と鼻づまりが続き最近時々不機嫌になります。

生後2か月以降の乳児でこのような症状がみられた場合、気をつけたいのは急性中耳炎の発症です。急性中耳炎は子どもに多く、特に乳幼児は75%を占めるといわれています。幼児期以降は痛みを訴えることができますが、乳児期では耳をよく触ったり、不機嫌や夜泣きが止まらないという症状や、発熱のみということもあります。中耳炎のほとんどがかぜをきっかけに発症していますが、特に鼻汁や鼻づまりが続いた場合は注意が必要です。
診察では耳鏡を用いて鼓膜をみますが、しばしば耳垢がたまっていて十分に観察できません。そこで鼓膜に音を当てて貯留液の有無を確認する簡便な検査器具(アコ-スティックオトスコープ)を用いると、中耳炎の有無、程度が容易に判断できます。
痛みや発熱がある場合には鎮痛解熱剤を用いますが、細菌感染が疑われる場合には抗生物質の内服が必要です。さらに中耳炎の程度によっては耳鼻科で鼓膜切開が行われることもあります。
成長に伴って中耳炎は減ってきます。それまで乳幼児では鼻汁の排泄を促す薬の内服や鼻水を積極的に吸引してあげることが中耳炎の予防、治療に有効です。

Q:3歳の女の子です。転んでおでこに傷ができました。傷跡が残らないか心配です。

頭や顔、四肢末端のけがは出血量が多いのですが、傷口はそれほど大きくない場合が殆どです。まずお子さんが痛みや恐怖を軽減できるように勇気づけ、出血してるところを直接圧迫してください。強く圧迫することはありません。しばらくすると出血量も減ってきますし、やがて止血します。指先などで傷より手前を縛ると血行障害を起こしますので危険です。また傷口に軟膏は必要ありません。
顔面の傷など目立つところの傷は縫合した方が良い場合が少なくありません。傷の大小にかかわらず医療機関を受診されることをお勧めします。縫合したら傷跡になるのではと心配をされる方もいらっしゃいます。しかし傷は表面だけをテープ固定すると傷の深いところにスペースができ、後になって傷跡が次第に広がってしまいます。また切り傷に対して創傷被覆材を用いると、傷からの浸出液でふやけてしまい、なかなか治らないということもあります。やけどでも同様ですが傷の治癒に時間がかかってしまうと瘢痕やケロイドを形成してしまいます。
傷が完成するまで数ヶ月間テープで固定しますが、特に成長期の子どもでは傷跡を目立たなくする最良の方法です。

Q:この春から保育園に通っている2才の女児ですが発熱することが多く心配です。

保育園などで集団生活をするお子さんは発熱を伴う感染症にかかることが多く、そのため保育園を休ませる必要が生じます。発熱自体は心配することは少ないと思いますが、保育園や幼稚園などでは熱の基準が設けられており、休園することになってしまいます。
初めて保育園や幼稚園に通うようになったら、かぜ症候群などの感染症にかかってしまいます。ウィルスに対する抗体がないのでこれは当然のことです。いわゆる抵抗力がつけば感染症にかかることもなくなりますので、成長の一環として待っていただきたいと思います。実際に小学校、中学校にあがるにつれ病気になることはずっと少なくなっていきます。
集団生活で気をつけたいのは、感染したりあるいは感染源となるのは必ずしも園児だけではなく、園児を保育する方々にもその可能性があります。また、中には免疫力が特に低いお子さんもいらっしゃいます。したがって発熱し特に元気がない場合にはお子さん自身も不安だと思いますので、特定の疾患でなくても自宅で2、3日ゆっくりさせていただくのが良いでしょう。

Q:生後8か月の男児です。排便は毎日ありますが、力んで痛がっているようで心配です。

新生児期には一日数回あった排便が、生後1か月過ぎてから排便の回数が減って、数日に1回になることも少なくありません。排便回数が少なくても便が硬くなく、赤ちゃんも苦しまずに排便するようであれば問題はありません。本来排便は痛みを伴わず快適に出ることが望ましいのですが、便が硬くなって肛門を痛がるようになったら治療が必要です。
まず毎日排便があれば便は固くなく、肛門が切れたりしません。肛門が切れた状態を裂肛(切れ痔)といいますが、乳幼児にもしばしば見られます。排便が週に1回程度しかない明らかな便秘症では多くが裂肛を伴っています。裂肛があると排便時に当然肛門痛が強く、このためますます排便をいやがるようになるという悪循環が生じます。
ところで毎日排便があっても、便がコロコロの小石のように固まっていることがあります。このような便は排便回数が減ってくると一つの大きな塊になってしまいます。従って毎日軟らかい便が続くまで継続的に便秘の治療を行うことが大切です。また便秘の治療を始める前にコロコロに固まった便を浣腸や摘便で取り除いてあげる必要もあります。

Q:1才の息子が何でも口に入れてしまって心配です。

乳児期から幼児期前半にかけては口唇期といわれている期間で、子どもは何でも口で確かめます。成長とともにほとんどおさまってしまう指しゃぶりならいいのですが、問題は異物を飲み込んだり吸い込んだりすることです。危険なものはお子さんの手が届かないところに置いておくなど、予防が最も大切です。
異物としてまず挙げるべきものはタバコとボタン型電池です。またピーナッツなどの豆類も危険なものとなり得ます。タバコやボタン型電池は飲み込んでしまうと消化管異物となります。前者は急性中毒を起こすと致命的ですし、後者は胃などの消化管に穴を開けてしまう場合があります。消化管穿孔といえば磁性治療器の磁石も起こすことがあります。ピーナッツなどの豆類は吸い込んだ時に気管、気管支などの気道異物になります。特に乾燥した豆類は気道内に留まると水分が加わって膨張して気道閉塞、窒息を来します。お子さんが異物を口にした時に大声で注意すると、驚いて吸い込んでしまいますので声かけは優しくしてください。
危険な異物の誤飲があった場合、あるいは急な咳発作などで気道異物が疑われる場合には緊急の対応が必要ですからまずは救急隊へ連絡してください。

Q:生後1か月の赤ちゃんがミルクを飲むたびに吐いてしまいます。受診した方がよいのでしょうか?

ミルクを飲むたびに吐いてしまう原因はいろいろあります。また、新生児、生後1か月以降と月齢により注意すべき疾患もあります。乳児が吐いても顔つきや機嫌が良い場合はまず心配いりません。
新生児期で重要なのは肥厚性幽門狭窄症という病気です。胃の出口(幽門)が筋肉層の肥厚で狭くなり、ミルクが十二指腸に流れていかないために口から噴水状に吐いてしまいます。この病気は原則的に乳児期早期に手術が必要です。
新生児期は哺乳の仕方、排気(げっぷ)の仕方がまだ上手でないため吐きやすいものです。また構造的に新生児、乳児は食道と胃の逆流防止機能が未熟です。胃がねじれてしまっていて逆流しやすい児もいます。前者を成人と同様に胃食道逆流症といい、後者を胃軸捻症といいます。いずれも乳児期早期の治療法はほぼ同じで、ミルクの与え方や、哺乳後の姿勢に工夫するなど保存的(手術でない)治療法を行うことによって生後3か月でほぼ軽快します。
しかしそれ以上続くようであれば胃食道逆流症の様々な検査をして薬物治療も併用したり、さらに年長児などでは逆流防止手術が行われることもあります。

Q:5か月の男児ですが、おむつにオレンジ色の尿が出ていました。血尿でしょうか?

赤ちゃんのオムツにオレンジ色、スイカの果汁のような尿がみられることがあります。ほとんどは濃縮された尿の成分の結晶で問題はありません。
乳幼児の尿で真っ赤な色をしていたらもちろん血尿の可能性もあります。いずれにしても採尿して検査をしなければわかりません。血尿の原因としては外陰部からの出血のこともありますが、忘れてはならないのは膀胱炎、腎盂炎などの尿路感染症です。しかし尿路感染症の多くは尿に明らかな異常が見られる前に発熱や顔色が悪い、不機嫌になるなどの症状ですから、明らかにかぜや中耳炎などの所見がない場合には尿検査を行って判断します。軽症の場合には抗生物質の内服で治療しますが、入院治療が必要なこともあります。
尿路感染症を繰り返す場合には膀胱尿管逆流症、腎盂尿管移行部狭窄などの腎臓から膀胱に至る尿路に異常があることもあります。このような場合、超音波検査や尿路系の造影検査が必要です。

Q:熱中症の症状や治療、予防法について教えてください。

暑い季節になりましたが、高温多湿による障害が発生する危険性が高くなっています。この障害を熱性障害(以下、熱中症)といいますが、ご存じのように時には命に関わる大問題になります。小さなお子さんは成人に比べて体温調節機能が未熟なため熱中症に陥りやすいので特に注意が必要です。
高温多湿な環境下に置かれた場合、大量の発汗の後、体温調節機能が機能しなくなると発汗が停止して体温が高くなり、脱水、電解質異常から血液などの循環障害を来し、ショック状態に陥ります。皮膚が乾燥し、興奮性が高まり、情緒不安定、攻撃性の亢進など中枢神経症状も出現します。
そのような場合、治療はまず体の冷却です。涼しいところに寝かせて頭部、頚部、脇の下、そけい部など太い血管が通っているところを冷やします。意識があれば冷たい水を十分に飲ませますが、嘔吐があったり意識障害があれば点滴による水分補給が必要です。
予防が何より大切です。炎天下を避けること、水分を十分とることです。スポーツでは休憩をこまめに入れましょう。赤ちゃんや幼児は特に車など、密閉されて暑くなるところには決して一人では残さないようにしてください。

Q:子どもがひきつけた時の対処法について教えて下さい。

ひきつけは手足をつっぱったり、がくがく震えたり、眼球が上を向いて歯をくいしばって意識がなくなった状態で、しばしば呼吸ができないため皮膚の色がチアノーゼを呈します。38℃以上の発熱を伴う熱性けいれんがほとんどで、生後6か月から6歳頃までにみられますが、1~3歳が好発年齢です。熱性けいれんは通常数分以内におさまりますので、お子さんの呼吸が楽になるような姿勢で、嘔吐する場合に備えて顔を横に向けてあげましょう。舌をかんでいなければ口の中に指を入れたり、大声で呼びかけたり揺り動かすなど、刺激を与えることは避けましょう。

慌ててしまうものですが、ひきつけを起こした時間、可能であれば体温を測定し、発作の長さや状態、左右差がないかなどを観察しておいて下さい。緊急に受診が必要な状況はけいれんが10分間以上続く、短時間にけいれんを繰り返す、意識障害が続く場合などが挙げられていますが、これらを判断することは困難だと思います。お子さんがひきつけを起こして重篤感があれば救急車を要請してもいいと思います。特に1歳未満で初回発作の場合には慣れないことですから躊躇することはありません。また、けいれんが消失しても医療機関を受診するようにして下さい。

Q:赤ちゃんのおへそ、少し出ているのですがどうしたらいいですか?

赤ちゃんのおへそは生まれたばかりの時にはお母さんとつながっていた臍帯(臍の緒)が残っています。生後1週間ぐらい経つと自然に臍帯が落ちて、その後は傷跡のようになって縮小し、表面は次第に皮膚に覆われていきます。そうして、へこんだヘソが形成されます。この傷跡のような部分が弱くておなかの壁を完全にふさがない場合に、皮膚だけになった部分が突出するようになっていわゆるでべそ(臍ヘルニア)になってしまいます。
自然経過を見ると生後2~3か月の頃に臍ヘルニアは最も大きくなります。しかし赤ちゃんが大きくなって腹壁が発達してくると徐々に縮小して、1歳くらいまでに90%以上は自然治癒します。このため「何もしなくてもいいですよ」といわれることが多いと思います。ところで自然治癒しない臍ヘルニアの中には白線ヘルニアといって通常の臍ヘルニアより位置がやや上方のものがありますし、非常に大きな臍ヘルニアも含まれます。

早ければ早いほどいいのですが、1歳ぐらいまでに臍部をいろいろな方法で圧迫すると治癒が早まるといわれています。生後3か月ぐらいまでに圧迫療法を開始すると約2か月くらいで治癒していくことが多いのでまず試みています。

Q:子どもが発熱した場合、熱は無理やり下げないほうが良いと聞きました。どのように対処すればいいですか?

発熱はからだの防御反応で侵入した病原菌と戦い病気を早く治す手段といわれています。発熱の原因にはいろいろなものがありますが、お子さんが比較的元気で、食欲もあり、機嫌がいい場合には様子を見て良い場合が多いと思います。
一般に発熱とは38℃以上のことをいいます。解熱剤が処方される場合、処方箋の多くには38.5℃以上で使うことと書いてあると思います。これはあくまでも目安と考えて下さい。39℃、40℃の高熱でもお子さんが食欲があり、様子もいつもと変わらなければ解熱剤は使う必要はありません。一方、38℃前後でも機嫌が悪い、食欲がない場合に解熱剤を使うと状態が改善することがあります。熱が少し下がったり、頭痛などがとれ元気になった場合に大切なことは水分補給です。機嫌が良くなり遊ぶようになったら積極的に水分をとらせて下さい。
解熱剤を使うことはタイミングや量などある意味非常に難しいことです。発熱させたままの方が病気が治りやすいということもありますが、発熱により体力が消耗することも事実です。お子さんの状態をみてまず少量から使っても良いと思います。

Q:子どもがやけどをした時に、まず家庭でできる対処法について教えてください。

寒い季節になるとストーブやヒーターを使う機会が多く、やけど(熱傷)のリスクも増えます。しかしやけどは1年中みられる事故で、子どもでは電気ポットの熱湯やスープなどの熱性液体によるものが多いようです。乳幼児のやけどの特異性は、皮膚が薄いため傷の深さ(深達度)の判断が難しいこと、手指など部位によっては瘢痕拘縮(傷のひきつれ)による機能障害が起こること、感染を来しやすいことなどが挙げられます。初期治療は消毒や軟膏を塗るのではなく、まず受傷部位を水で冷やすことです。十分に冷やすことにより痛みが軽減するばかりでなく、深達度や受傷面積が減少します。氷や保冷剤などで過度に冷やすことは、むしろ血行障害を来す恐れがあります。衣服の上から受傷した場合には、表皮を傷つけないように着たまま冷やします。
病院に行く目安は、受傷面積が広かったり深達度が深い場合です。顔面、外陰部、肛門部は程度が軽くても受診した方が良いと思います。また、手指の場合にも瘢痕拘縮の危険がありますので受診してください。やけどは何よりも予防が大切です。今一度家の中の安全を確認してください。

Q:転倒して頭を打った時、CT検査は必要ですか。CT検査による放射線被曝が心配です。

転倒や転落により、頭を強く打ってしまうことがあります。小さなお子さんの場合は特に心配です。頭を打った時の主な注意点は、まず意識障害があったかどうかです。受傷後すぐに泣いた場合、顔色も悪くなく、嘔吐などがない場合にはまず心配はありません。幼児期以降で意識障害に加えて注意すべき症状としては、受傷の前後の記憶がなくなる健忘があるかどうかです。意識障害や健忘、痙攣は頭蓋内の損傷を示唆することがあります。受傷直後は元気でも、時間がたつにつれ意識がなくなったり、頭痛、嘔吐が見られる場合にも同様に頭蓋内損傷が疑われます。このような場合にはCT検査が必要だと思います。陥没骨折が疑われる場合も必要です。
しかし、頭を打つことはしばしばあり、その都度CT検査を受けるのは問題があります。軽微な打撲でも頭蓋骨骨折や脳の損傷が起こることもありますが、例えこのような場合でも脳外科手術を要することなく経過を見ることが多いものです。CT検査による放射線被曝のことを考えると、ほとんどの場合は受傷後24時間ぐらい様子を見て良いかと思います。

Q:咳がひどくて眠れないとき、とりあえずの対処法はありますか?

咳発作でゼーゼーする時に、医療機関では気管支拡張剤と生理食塩水による吸入療法を行うことによって咳を軽くしています。咳のため眠れない時、ゼーゼーして十分な呼吸ができない時にご家庭では湯気で加湿することで同様の効果が得られます。湯気を吸入するためには、湿度100パーセントがいいのですが、それにはお風呂場が良いでしょう。お湯の入ったお風呂のふたをとり、湯気がモウモウとたっている中にお子さんと一緒にいる(お湯の中に入るのではありません)と効果があることがあります。ぜんそく発作や喘鳴を伴う喘息性気管支炎に特に有効です。
もちろん朝から咳があり、徐々に悪化するようであれば、早めに受診することをお勧めいたします。十分な水分補給ができない時は喀痰の排出ができません。高熱で苦しそうな場合、呼吸困難を来している場合、ぐったりしているような時には夜間でも病院を受診してください。気管支炎や肺炎あるいは心臓に問題があることがあります。

Q:子どもが転んでよくけがをします。このような時の処置の仕方と病院に行った方がいい場合を教えてください。

お子さんがハイハイしたり歩くようになると、ぶつけたり、転んだりしてけがが増えます。けがをしないようにいろいろ用心していても事故は起こってしまいます。そこでけがの対処法として、まず次のようなことに心がけていただければ良いでしょう。けがの多くは擦り傷や切り傷です。頭や顔、四肢末端のけがは出血量が多いのですが、よく見ると傷口はそれほど大きくない場合がほとんどです。まず、皆さんは動揺しないで、お子さんが痛みや恐怖を軽減できるように勇気づけ、出血してるところを直接圧迫してください。強くしてはいけません。しばらくすると出血も減ってきますし、止まります。傷口に軟膏は必要ありません。傷口についた異物を水で洗い落としてください。止血してお子さんがあまり痛みを訴えないようであれば、傷を覆ってお家で経過を見られて良いでしょう。止血しない、傷口が大きい、深い、痛みが強い場合には医療機関を受診してください。顔面の傷など目立つところの傷に関しては縫合した方が良い場合が少なくないので、傷の大小にかかわらず受診されることをお勧めします。

Q:子どもの日焼けは避けるようにいわれています。幼稚園や学校では日焼け止めが塗れません。対処法が知りたいです。

-外気浴や日光浴はしていますか- 私の子どもの母子手帳にある3~4か月頃の記載です。日焼けを避けるようにいわれ始めたのは1980年代からです。紫外線による皮膚障害が注目されるようになり、母子手帳の日光浴をすすめるような記載は1998年になくなりました。実際には赤ちゃんが直射日光で日焼けをすることは昔から避けられていました。一方、外気浴はとても大切です。直射日光を避けながら外を散歩することは適度な紫外線を浴びることになり、骨の形成を促したり、皮膚の殺菌のためにも良いと考えられます。子どもたちがプールやサッカーなどで真っ黒になって遊ぶことは自然なことです。そのためには徐々に日焼けしておくことも皮膚の保護になります。日焼け止めですが、確かに幼稚園や学校では塗りにくいですね。熱中症のこともありますので、帽子をかぶったり、長袖にしたり、暑い日中を避けることなど、それぞれの施設でも配慮されています。しかしどうしても強い紫外線を浴びそうな場合には、日焼け止めを使うことも考慮して下さい。