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体・心・病気の悩みなどの医療相談を、街のお医者さんに出演いただいた先生がお答えします。

二の宮越智クリニックの越智五平先生に聞きました!

~ その他 ~

[小児・小児外科]

Q:母子健康手帳はお子様の大切な記録です。なくさないで!  NEW

母子健康手帳(以下、母子手帳)は日本で独自に発展したものです。1947年に「母子手帳」として妊産婦と小児の健康の記録に用いられるようになりました。1960年の母子保健法で「母子健康手帳」となり、妊娠を届け出ると交付されます。お母さんが手帳に自由に成長の記録を記載できるようになったのは1981年からで、2012年に様式が変更されて現在に至っています。書き加えられた成長の様子、かかった病気の記録などは乳幼児健診や予防接種に際して極めて重要な情報になっています。
定期の予防接種では母子手帳の予防接種欄でワクチンの接種回数、接種間隔などを確認することとなっており、手帳を持参しなければ予防接種ができません。ところで予防接種欄の様式は出版社によって異なる場合があります。予防接種歴の確認、誤接種の回避などのため今後全国的に統一するべきだと思います。
私の長男の時には「就学時まで保存」、次男の時からは「中学入学まで保存」の赤いスタンプが表紙に押してあります。母子手帳は親子の生涯の記録になりますので大切に保管しておきましょう。なおスマートフォンで定期的にページを撮影しておくのもお勧めです。

Q:小児外科でみてもらえる病気はどのようなものですか?

小児外科はドラマでは難しい病気が取り上げられるので特殊なものと思われがちです。もちろん病気の種類が成人と異なることや成長、発達という要素があるため、治療にあたっては小児医療全般にわたる専門的知識が必要です。国立小児病院(現在の国立成育医療センター)ができて我が国の小児の総合医療が始まりました。日本小児外科学会が設立されたのは、1964年、東京オリンピックの年でした。1977年に筑波大学は大学病院の中でも最も早く小児内科と小児外科が一つのグループとなって診療をスタートしました。
先天性の病気を持った新生児や乳児の手術、胆道閉鎖症、胆道拡張症や悪性腫瘍の手術・治療などは大きな施設で行われます。またそけいヘルニア、停留精巣、臍ヘルニア、包茎などで手術が必要な疾患も対象です。外来診療では臍ヘルニア、包茎などは手術を行わず治療したり、便秘症や血管腫・リンパ管腫などの治療も行っています。もちろん外傷(けが)も含まれます。治療では侵襲が少なく傷跡が目立たなくする工夫は当然と考えています。
小児医療はこどもの出生(時には胎児期)から成人に至るまでを援助するものです。小児外科は手術だけではなく集学的な治療においてもその一翼を担っています。

Q:3か月の男児です。おちんちんのことがよく分かりません。

新生児のほぼ100%は亀頭部が包皮がかぶった包茎で、1才児でも70%の男児は亀頭部を完全に露出できません。包皮口が開かず亀頭部が全く見えない状態を真性包茎といい、1~3才で20~30%、3~6才で5~10%、10才以降では2~3%あるといわれています。つまり真性包茎でも成長するにつれ自然に治っていることになります。
乳児期から包皮口を拡張する手技(包皮翻転術)も行われていますが、少しでも亀頭部が見えるようであればこれは不要です。むしろ無理に広げると包皮が傷ついてしまい、包皮口が狭くなって外傷性の真性包茎になることがあります。さらに亀頭全部が露出して戻せなくなる事故(嵌頓包茎)もあり、私は積極的には勧めていません。赤ちゃんの陰茎も勃起しており、これにより包皮口が拡げられ包茎は改善されていきます。
3才以降に亀頭が全く露出できない場合、ステロイド軟膏を毎日陰茎の先端に塗ることで包茎が改善することもあります。外傷性に包皮口が狭くなった包茎と小学校以降の真性包茎が手術の対象になります。赤ちゃんのおちんちんは包皮の上から石けんでもみ洗いして清潔にしておくことで十分で、亀頭部まで洗う必要はありません。

Q:小児外科では、どのようなことが行われているのか教えて下さい。

小児外科は最近テレビドラマなどで取り上げられることもあり比較的身近になりました。しかし、ドラマでは難しそうな病気が取り上げられることが多いため特殊なものと思われがちです。勿論、小児外科では病気の種類が成人と異なることや成長、発達という要素があるため、治療にあたっては小児の専門的知識が必要です。
国立小児病院(現在の国立成育医療センター)ができて我が国の小児の総合医療が始まりました。筑波大学は大学病院の中でも最も早く小児科と小児外科がグループ化されてスタートしました。
先天性の病気を持った新生児や乳児の手術、胆道閉鎖症、胆道拡張症や悪性腫瘍の手術・治療などは大きな施設で行われます。また一般的なそけいヘルニア、停留精巣、臍ヘルニア、包茎などで手術が必要な疾患も対象です。臍ヘルニア、包茎などでは手術を行わず治療したり、便秘症や血管腫などの保存的治療も行っています。勿論、外傷(けが)も含まれます。
小児医療は子どもの出生(時には胎児期)から成人に至るまでを援助するものです。手術のみならず集学的な治療においても小児外科はその一翼を担っています。

Q:生後1か月の男児です。おへそがだんだん出て大きくなってきて心配です。

赤ちゃんの臍(へそ)の緒は生後1週間までには自然に落ちて、その後は傷跡(瘢痕)になって縮小し表面が次第に皮膚に覆われていきます。そうしてへこんだおへそが完成します。ところがこの傷跡のような部分が弱くておなかの壁を完全にふさげないと皮膚のみで覆われることになり、突出してでべそ(臍ヘルニア)になってしまいます。
生後2~3か月の頃に臍ヘルニアは最も大きくなります。しかし腹壁が発達してくると徐々に臍ヘルニアは縮小していき、1歳ぐらいまでに90%以上は自然治癒します。このため「何もしなくてもいいですよ」といわれることが多いと思います。
近年の報告では早ければ早いほどいいのですが、1歳ぐらいまでに臍部をいろいろな方法で圧迫すると治癒が早まるといわれています。生後3か月ぐらいまでに圧迫療法を開始すると約2か月で治癒していくことが多いのでまず試みています。
ところで自然治癒しない臍ヘルニアの中には白線ヘルニアといって通常より突出部位の位置がやや上方にあるものがあります。しかし、この場合でも圧迫療法によりヘルニアの大きさを小さくできる場合が多いと思います。

Q:赤ちゃんの『高い高い』や頭を揺すったりしてはいけないのは何故ですか?

赤ちゃんを「高い高い」する様子はとても微笑ましいものです。しかし、急激に上下すること、頭を強く揺すぶるようなことは決してしないでください。
乳幼児は頭が大きく首もまだしっかりしていません。頭の中が未熟でクモ膜下腔が大きく、そのため脳が移動しやすく脳表面から硬膜につながる血管が切れて頭蓋内出血や眼底出血をおこすといわれています。このように乳幼児の頭部を強く揺すぶることによって引き起こされる病気は、文字通り「ゆさぶられっ子症候群(Shaken baby syndrome)」といわれています。特に6か月までの乳児ではおきやすく、脳に障害を残して脳性麻痺や精神運動発達遅延を来したり、視力障害をおこしたり、最悪は死に至ることもあります。
日常的な生活の中でもおこることがあり、乳児では「高い高い」はしない方が良いでしょう。またチャイルドシートの不適切な使用により頭が揺さぶられて発生した例もありますので注意してください。

Q:小児科の対象年齢は何歳までなんでしょうか?

かぜやインフルエンザ、胃腸炎などの感染症はお子さんに限らず、家族内で感染してしまいます。こんな時、しばしば大人もみてもらえますかと聞かれます。
ちなみに小児科は何歳までを診るものなのでしょう。保険医療では6才を過ぎてしまうと成人とほぼ同じ扱いです。小児医療とは年令でいえば15才というのが一般的でしたが、学会では20才までを対象にしようという考えがあります。なかには成人してからも小児科や小児外科でフォローした方が良い病気もあります。中学生から20才くらいまでは子どもに多い病気もありますが、甲状腺疾患や高脂血症など成人にみられる疾患も出てきます。年令による区別が非常に曖昧な時期です。子どもの思春期、青年期の成長過程もみている訳ですから、大人の診療は小児科でも可能です。小児科という名称で「もう子どもじゃない」と敬遠される中学生、高校生もいらっしゃいますが、その場合には小児科も標榜されている内科を受診されても良いと思います。