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さくら内科・呼吸器内科クリニックの石川昌英院長に聞きました!

つくば市桜2-15-1

029-869-8090

http://www.sakuratukuba.jp/

[内科・呼吸器内科]

Q:大人になり喘息を発症してから痰が辛くなるようになりました。楽になる方法はあるのでしょうか? NEW

喘息の治療中に痰が出る又は喉のところに痰が詰まっている感じが出たりすることは良くあります。
痰が出る原因としては①気道炎症が起こる原因物質を継続的に相当量吸入している(タバコや職業性喘息など)②鼻水が喉に落ちてくる/鼻をすすっている(後鼻漏・副鼻腔炎)③胃酸の食道への逆流(胃食道逆流症)④気管・気管支からの痰の分泌が増えている(慢性気管支炎など)が挙げられます。
治療としては吸入ステロイドや去痰薬、気道分泌細胞正常化剤のほかに①原因物質を極力吸わないようにする ②抗アレルギー薬や抗生剤、点鼻薬 ③制酸剤や消化管運動機能改善薬 ④抗コリン薬や少量マクロライドなどがあります。
効果には個人差があり時間がかかることも少なくありません。痰が改善するためには主治医と相談しながら根気強く治療を受けてください。

Q:喘息とアレルギーは違うのですか?

気管支喘息は慢性炎症による、気道の可逆的な狭窄をきたす病気です。
その発病因子には、1アレルゲン、2ウイルス性呼吸器疾患、 3その他の因子(大気汚染【屋外・屋内】、喫煙【能動・受動】、食品・食品添加物、寄生虫感染、 薬物)があります。
そして喘息が悪化する原因には、1アレルゲン、2大気汚染【屋外・屋内】、3呼吸器感染症、4運動ならびに過換気、5喫煙、6気象、7食品・食品添加物、8薬物、9激しい感情表現とストレス、 10刺激物質【煙、臭気、水蒸気など】、11二酸化硫黄、12月経、13妊娠、14肥満、15アルコール、16 過労、などがあげられています。
喘息はアレルギーが主因ですが、必ず関与しているとは限りません。
またアレルギーが関与している咳の疾患としては咳喘息、アトピー咳嗽がありますが、どちらも聴診上喘鳴がない、呼吸機能検査が正常というのが特徴となっています。

今回は、気管支ぜんそくのよくある質問にまとめてお答えします

Q.ぜんそくは治りますか?
A.ぜんそくは大気中の微細なゴミ(アレルゲン)を吸うことでアレルギーを起こして発症する病気です。大気中のゴミが全く無くなれば完治する可能性がありますが現実的には不可能です。ぜんそくは無かったことにはできません。コントロールし上手に付き合っていく病気です。

Q.咳が止まったら薬はやめて良いですか?
A.ぜんそくの咳は風邪の咳とは違います。症状の改善・消失は最初の目標に過ぎません。その後の症状の再発を予防し将来の呼吸機能に出来る限り影響を与えないように治療をする必要があります。

Q.小児ぜんそくは症状があまりでなければひどい発作時だけの治療で良いですか?
A.コントロール良好の小児ぜんそくとは全く症状が出ない状態です。全くでない状態でなければ継続的な治療が必要です。また、小児と大人のぜんそくとの大きな違いには『成長』があります。身体の成長と呼吸機能の成長が一致するように治療していくことが必要です。

Q:今年はワクチンがなかったせいか始めてインフルエンザになりました。どうしてワクチンが無いようなことになったのでしょうか?

インフルエンザワクチンはA型2種類とB型2種類の4価ワクチンです。昨年は当初予定していたA型株の1つが増殖効率が悪く予定必要量の7割にしかならない事が6月に分かり急遽変更となりました。
変更したことで最終的には例年の9割は生産できましたがその影響で、出荷が例年よりも2週間遅れ各医療機関への納入の出足も悪くなりました。ワクチン接種シーズンの10月から12月までに流通したワクチン量は例年の7割前後になりました(1月以降に流通しても各医療機関では接種終了しているので結果として接種出来た人は例年の7割前後になりました。変更した事による流通の不安定を引き起こした分余計に悪かったかもしれません)。
2017/2018シーズンでは統計を取り始めた1999年以降でピーク時の発生件数が過去最多となりました。計らずもワクチンの予防効果を証明する形となりました。
今年のインフルエンザワクチンは、昨年のものから2株変更になっていますが例年通りの流通に戻る予定です。

Q:睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法について、詳しく教えて下さい。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。10秒以上の気流停止を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、または1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠時無呼吸症候群は、交通事故の原因(眠気の自覚があるにも関わらず診断、治療を受けていない場合、免許証の交付や更新が保留されることがありますと道路交通法で定められています。)や難治性高血圧・心房細動・脳梗塞・糖尿病を発症するリスクになることがわかっており、認知症のリスクにもなると考えられています。
CPAP(シーパップ)療法:経鼻的持続陽圧呼吸療法は、閉塞性睡眠時無呼吸タイプに有効な治療方法として現在欧米や日本国内で最も普及している治療方法です。
CPAP療法は、寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させておくという療法です。
CPAPの保険適応は簡易検査で無呼吸・低呼吸指数が40以上、精密検査で20以上の方です。
昼間の眠気、朝の頭痛、睡眠時のいびき・無呼吸の指摘がある方は検査を受けることをお勧めします。

Q:肺炎球菌ワクチンは接種した方がよいのですか?詳しく教えて下さい。

肺炎は死因の第3位、年間12万人の方が亡くなる病気です。そのうち96.8%が65歳以上の方です。診断方法や治療法が確立しているにもかかわらず死因上位に入っているのは、加齢による免疫力の低下や基礎疾患(糖尿病・心疾患・呼吸器疾患・腎不全など)を持っている患者さんの割合が年齢と共に上がるからです。そこで現在国策として肺炎球菌ワクチンの接種を推奨し補助金を出し欧米並みの接種率になるように努めています。
ちなみに肺炎球菌ワクチンは、全ての肺炎を予防するものではなく特に重症化しやすい『肺炎球菌』という細菌による肺炎を予防しますので、接種したら他の菌やウイルスが原因の肺炎にかからないということではありません。予防出来るのは肺炎全体の30%程度です。
肺炎球菌ワクチンには2種類あり多糖体ワクチン(ニューモバックス)と結合体ワクチン(プレベナー)があります。ガイドラインでは1年の間隔を空けて両方接種することを勧めています。違うタイプのワクチンを接種することで免疫がより良くつくことがわかっていますので2種類接種をお勧めします。

Q:60歳少し前から風邪をひくたびに咳が激しく&長引くようになりました。高齢になると仕方ないのでしょうか。

通常加齢が原因で風邪の後の咳が長引くことはありません。風邪の症状(喉の痛み、鼻水、発熱など)の後に咳が出始め、それが週又は月の単位で続く時はもともとに病気が隠れていた可能性が高いです。風邪をひくたびにとのことなので気管支喘息、副鼻腔気管支症候群、咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔炎・後鼻漏、COPDなどの病気があげられます(初めての場合は感染症も原因になります)。
診断のためには問診(咳が起こる時間帯:朝起き掛け/日中/夕方以降/寝入りばな/寝ているときなどが分かっていると診断の手掛かりになります)・聴診のほか、胸部X線(胸 部CT)・呼吸機能検査・呼気中NO検査などを行って判断します。呼吸器内科への受診または耳鼻咽喉科で副鼻腔炎・後鼻漏の有無を診てもらった後に呼吸器内科の受診が勧められます。階段の上り下りがきつい、少し歩くと息切れがするなども年齢のせいにしがちですが治療で改善するものもたくさんありますので年齢のせいにする前に受診をお勧めします。

Q:小児喘息と言われお薬が出ました。いつまで続けるものなのでしょうか?

小児喘息の治療目標は症状のコントロール、呼吸機能の正常化、QOL(生活の質)の改善です。喘息のコントロール良好とされるのは、①軽微な症状 ②明らかな喘息発作 ③日常生活の制限 ④気管支拡張薬(β2刺激薬)の使用の4つ全てがない状態になることです。軽微な症状とは、運動や大笑い、啼泣(声をあげて泣くこと)の後や起床時などに一過性に認められるがすぐに消失する咳や喘鳴、短時間で覚醒することのない夜間の咳のことを言います。ですので寝ながら咳をしている・ちょっとしたことで咳が出るときはコントロールとしてまだまだとなります。まったく症状がなくなって初めて治療のステップダウン、つまりお薬中止となります。
出来るだけ子供にはお薬を避けたいという気持ちはわかりますが、中途半端な治療は将来的な呼吸機能の低下にもつながります(8歳以降で呼吸機能検査をすると肺機能が低下しているお子さんがかなりいます)のでやめて良いと言われるまで続けて下さい。

Q:テレビでCOPDというのを見ましたが、タバコを吸っていなければならない病気ですか?

COPDは慢性閉塞性肺疾患の略称で、以前に肺気腫、慢性気管支炎と分けて診断されていた病気です。主な原因はタバコによるものです。直接ではなくても受動喫煙でも起こります。タバコ以外では大気汚染や有毒ガス・微粒子の吸入でも起こることが報告されています。
COPDの患者の4.7%が非喫煙者に生じていたとの報告からタバコを吸わない受動喫煙者も罹患することがはっきりしています。また、中国では受動喫煙が原因のCOPDで1900万人が亡くなっているとの論文も報告されています。そのため受動喫煙を防止する法律や条例が議論されています。
COPDが進行すると酸素が上手に取り込まれなくなり、酸素ボンベが手放せなくなる状態になります。ただ通常はいきなり酸素ボンベが必要になるわけではなく、徐々に呼吸困難が進行します。階段や坂道などで息が切れる、お風呂で息苦しさを感じる場合は年のせいでと思う前に検査で確かめることをお勧めします。

Q:最近、坂道や階段を上がるときに息切れがするのですが、どのような原因があるのでしょうか?

坂道や階段、買い物などの荷物を持っての歩行での息切れは、年齢や運動不足のせいと自己判断することが多いですが、実は慢性的な疾患の初期の症状ということが往々にしてあります。この症状は労作時(動いた時)の呼吸困難の指標でグレード1~2になります。グレード1~2は呼吸困難の程度としてはまだ軽度で初期症状となります。さらに進行していくとスーパーやショッピングモールの中を歩くのがつらくなりだんだんに外出がおっくうになっていきます。
原因は基本的には相対的な酸素不足から生じます。大きく分けると①気管支喘息、たばこが原因のCOPD(肺気腫・慢性気管支炎)、間質性肺炎などによって呼吸機能が低下している場合②心臓が悪く全身に血液がうまく送れない状態の場合③貧血で血液がうすくなっている場合④その他臓器疾患に付随するものなどに分けられます。
問診・聴診やレントゲン・CT、採血、呼吸機能検査などで診断していきます。お近くの内科・呼吸器内科・循環器内科などを受診してみてください。

Q:喘息があるのですが、妊娠中も治療は継続できるのでしょうか?

成人の喘息は10人に1例と言われています。妊娠によるホルモンバランスの変化などで、喘息患者さんの35%が悪化すると言われています。妊娠後初めて喘息症状が出る妊婦さんも数%いるといわれています(妊婦さん全体の8%前後で何らかの喘息症状が出ます)。喘息発作は胎児に低酸素血症をもたらしやすく流産や胎児発育不全などの危険因子ともなり積極的な治療が推奨されています。
妊娠中の治療の中心は吸入薬になります。吸入ステロイドや気管支拡張薬(β拡張薬)は催奇形性などのリスクを上昇させることなく安全に使用できます。特にステロイド吸入薬では米国食品医薬局FDAで高い安全性を認められたものもありますので世界中で積極的に使用されています。抗アレルギー薬・ロイコトリエン拮抗薬に関しては安全が確認されている薬がありますがリスクについて説明後に使用しております。
妊娠中、授乳中にも安全に使える薬はあります。喘息に限らず主治医の先生にご相談ください。

Q:肺気腫と言われました。治療はどんな方法があるのでしょうか?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、たばこ煙を主とする有毒物質を長期間吸入することによって生じる肺の慢性炎症による病気です。肺気腫はCOPDの中で肺胞系の破壊が進行したもので、レントゲン・CT・呼吸機能検査などで診断します。
たばこ1箱を20年間吸うと20%の人がCOPDになります(2箱/日を30年間吸うと70%の人が発症)。主な症状は慢性の咳、痰と体を動かした時に出現する息切れです。ゆっくり進行するので息切れを自覚しない方や年のせいでと思う方が多いですが、坂道や階段で息苦しさが出るときは病気が隠れている場合がありますので注意が必要です。
壊れてしまった肺胞は元に戻りませんが、治療法としては①進行させないための禁煙②症状を改善するための長時間作用性抗コリン薬を中心とした薬物療法、呼吸リハビリテーションなどが行われます。さらに重症になれば、酸素療法が行われます。
薬物治療は吸入薬がメインとなる薬です。吸入薬は各個人の呼吸機能や機器の操作ができるか、他に病気がないかで決まります。

Q:咳喘息とはなんですか?

咳喘息とは、喘息の亜型とされ、ゼイゼイしたり苦しさを伴わず、咳のみが症状のものです。咳の特徴として①夕方以降悪くなり、夜間から早朝に悪くなることが多い(昼間が悪いかたもいます)。②空咳のことが多く、痰は出るとしても少量です。③季節や天候によって悪くなったり、風邪をきっかけに悪くなることがあります。
診断は、問診と聴診、胸部X線、呼吸機能検査、呼気中NO(一酸化窒素)検査などで行います。この中で一番重要になるのは、意外かもしれませんが聴診になります。聴診器を当てて気道が狭くなったりした時に起きる音が生じていないかを確認することがガイドラインの診断基準上必須となっています 。胸部X線は肺炎や結核、癌などがないかをみます。呼吸機能検査は喘息ではないことの確認のために行います(咳喘息の場合には呼吸機能検査が正常ないしほぼ正常になります)。呼気中NO検査は気道のアレルギーをみる検査で咳喘息の場合には高値となることが多いです。咳が長引くまたは通常とは違う咳が出る場合は内科・呼吸器内科の受診をお勧めします。

Q:40代で初めて喘息と言われました。大人になってから発病するのですか? 日常生活で注意することはありますか?

「喘息になる人は以前に比べ増加しています。最新の調査では小児、大人ともに人口の10%前後が喘息です。小児期に喘息がなく、成人になって初めて症状が出る成人発症喘息は、成人喘息全体の70~80%を占め、そのうち40~60歳代の発症が60%以上を占めます。ですので40代になって初めて診断されることは一般的なことです。
喘息は「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動性を持った気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳で特徴付けられる疾患」とされています。喘息は大気中に含まれる微小な物質(ハウスダスト・ダニなどのアレルギーを起こすものや排気ガスや化学物質などアレルギーを起こさずに気道を傷つけるもの)を日々吸うことで起きます。
日常生活で注意することは、可能な限り喘息を起こす物質を除去し、急に悪くなる原因となる風邪などを引かないようにすることです。そして何より肝心なことは一過性ではなく慢性的な病気ですので、 症状がなくなっても治療を継続することです。」

Q:自然気胸は再発するのですか?手術すれば完全に治りますか?

自然気胸は肺が破れる病気です。男女共におきますが若い痩せ型の男性に多く発症するという特徴があります。症状が軽いと胸部違和感や咳の場合もありますが、多くは胸痛、呼吸困難で受診します。気胸を疑って胸部レントゲンを撮って初めて診断出来る病気です。
気胸は再発が多い病気です。初めて気胸を起こした人の再発率は25%、2回目に気胸を起こした人が3回目を起こす確率は50%以上で半年以内に多くが3回目を起こします。そのため2回目の気胸の際に手術となることが多いです(初発でも空気の漏れが続くときは手術になります)。
手術は全身麻酔で胸腔鏡という内視鏡で行う事が多いです。手術後の再発率は施設により違いますが5%前後のところが多いようです。
突然の胸痛の場合は狭心症、心筋梗塞、気胸など重篤な病気が隠れている場合があります。レントゲンや心電図などの検査が行える内科の受診をお勧めします。

Q:風邪をひいてから咳だけが治らず2週間になります。他の病気の可能性もありますか?

風邪(咽頭痛、鼻水、咳、発熱)の後に咳が残ることは時々あります。咳が続く原因は大きく分けて3つに分けられます。1つは咳を引き起こす原因菌が存在し続け、気道粘膜障害が起こり続けている場合です。マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳菌、結核菌などが代表的な菌になります。また、その他の細菌でも肺炎などを起こしている場合には咳が続く場合があります。
2つ目は風邪によって隠れていたまたは落ち着いていた病気が悪化した場合です。咳ぜんそく・気管支ぜんそく、COPD(肺気腫・慢性気管支炎)、心不全などが基礎疾患としてある場合に咳が起こります。
3つ目は原因菌もいないし、基礎疾患もない場合です。この場合は治りが遅いだけで時間とともに改善していきます。
どのような原因で起きているのか、どこの部位(上気道・下気道)で起きているのかは、問診・聴診・検査(レントゲン、採血、呼吸機能検査など)で総合的に判断します。咳が続く場合は内科・呼吸器内科の受診をお勧めいたします。