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つるみ矯正歯科の鶴見淳子先生に聞きました!

つくば市二の宮1-14-41

029-858-5505

http://www.tsurumi-kyousei.com/

[矯正・一般・小児・審美歯科、インプラント]

Q:歯槽膿漏になってしまったらどう治せばよいのですか?完全に治るものなのでしょうか? NEW

歯周病(歯槽膿漏)は細菌による感染症で、歯を支える組織(歯槽骨など)を破壊する病気です。細菌のかたまりであるプラークや歯石を取り除くことが最も確実で効果的な治療法です。
歯周病は急に進行する病気ではありません。最初は炎症が歯ぐきのみにとどまる歯肉炎。それが進行すると歯槽骨を少し破壊する軽度歯周炎となり、さらに進行すると中等度、重度歯周炎になります。各ステージでスケーリング( 歯石除去)は最も大切ですが、それぞれ治療内容は異なってきます。重度になると歯は抜ける寸前。治療はたいへん困難になります。
歯肉炎のうちに治療をすればもとの健康な状態に回復しますが、歯周炎になると失われた歯槽骨を取り戻すのは難しくなります。ただし炎症を止め再発を防いで現状維持していけば歯を守ることはできます。歯周炎の治療は、早期にとりかかるのがとても大切なのです。

Q:35歳、歯並びにコンプレックスがあります。今から矯正するメリット、デメリットを教えてください。

矯正治療はきちんとしたかみ合わせをつくるとともに、審美的な口もとの獲得を目標に行われます。いくつになっても歯槽骨(歯を支えるあごの骨)がしっかりしていれば歯は動きます。
かみ合わせをよくすることで、セルフケアしやすくなり、むし歯・歯周病になりにくくなります。結果、将来自分の歯を多く残せる可能性が高くなります。また、よい歯並びは機能の改善だけではなく、美しい口もと・笑顔を生みます。これは特に大人の患者さんのご希望であり、喜びでもあります。
しかし、歳を取ると骨の再生が遅くなり、歯ぐきも弱くなってくるので、大人の矯正はゆっくり動かすなどの配慮が必要です。また、顎の成長を利用することができないので、抜歯して治療するケースもやや多くなります。矯正治療前には歯周病の治療が必要
であったり、矯正治療後には被せ物を作り直していただくこともあります。
「子供の頃から気になっていたけれど機会がなかった。でもやっぱりきれいにしたい」とスタートする大人の患者さんが今、たくさんいらっしゃいます。今更遅い…なんてことはありませんよ。

Q:矯正治療が終わりきれいな歯並びになりました。今はリテイナーを使っています。歯並びが気にならなければ使わなくても大丈夫ですか?

数年間をかけて矯正治療をし、きれいな歯並びになった後はリテイナーを使います。歯は「後戻り」といって、もとの位置に戻ろうとする動きをします。この後戻りを防ぎ、きれいな状態を維持するための装置がリテイナーです。リテイナーには可撤式(取り外しタイプ)と固定式(つけっぱなしのタイプ)がありますが、患者様の歯並びやお口の環境を考えて選択します。
可撤式リテイナーであれば、最初の1年は1日中(食事・歯みがき以外)の使用、その後は徐々に時間を減らし2年後には就寝時のみの使用となります。後戻りのしやすさには個人差があります。見た目には何も変化がないようでも、いつの間にかリテイナーが合わなくなってしまうこともありますので、油断しないで指示どおりしっかり使ってください。
固定式タイプは着脱の手間も違和感もなく楽ですが、歯みがきに注意が必要です。歯石が付きやすいので、必ず半年に一回はクリーニングを受けて下さい。
また、この時期には半年~1年に1回、歯並びとリテイナーのチェックをします。受診しないで患者様個人の判断での長期間の使用は避けてください。

Q:奥歯に被せ物をすることになりました。白い被せ物と金属の被せ物のどちらがよいですか?

むし歯が大きかった場合、詰め物では対応できないので被せることになります。被せ物には白い物と金属の物があり、それぞれに保険の物と自費の物があります。
金属の物は強度があり、破折がほとんどないという利点がありますが、金属色の見た目が気になるという方も少なくありません。また、金属アレルギーの方には使えません。白い物は若干強度的には劣るものの、近年改良は進んでいるので、耐久性・摩耗性等問題はありません。何しろ見た目がよく、アレルギーの心配もありません。特に自費のセラミックの物は、自然な色で審美的には特に優れているうえ、細菌が付きにくい表面性状であるという利点があります。ただし硬すぎて破折することもあるので、歯ぎしりや食いしばりなど強い力がかかる方にはおすすめできません。
被せ物をするときには、歯だけの問題ではなく、歯ぐき(歯周炎)やかみ合わせの問題も考慮しなければいけないので、かかりつけの歯科に相談して決めてください。

Q:「妊娠出産すると歯が悪くなる」と聞きますが、本当ですか?また、歯科治療を受けることはできますか。

これは本当です。でも赤ちゃんにカルシウムが取られるからではありません。妊娠中はつわりで丁寧な歯みがきが難しくなったり、味の好みが変わり甘い物すっぱい物を食べる機会が多くなったり、間食が増えたりします。また、妊娠中はホルモンの影響で唾液が減るので、自浄作用や再石灰化作用が弱くなるなど、むし歯や歯周病になりやすい条件がそろうのです。実際、歯痛に悩んだり、歯ぐきが腫れる方も少なくありません。それでも「赤ちゃんに何か影響があるのでは?」と歯科受診を躊躇してしまい、結果ますます状態が悪化することがあります。
妊娠の時期により応急処置にとどめることはあります。そして麻酔薬や処方する薬も考慮しますが、妊娠中でも基本的には通常の歯科治療が受けられます。レントゲン撮影をしても問題はありません。
受診するときは、妊娠中であることを必ず伝えて下さい。また産科の主治医にも歯科治療を受けていいか相談しておきましょう。できれば慌てることがないよう妊娠前からクリーニングやメインテナンスをして、いつも健康なお口でいたいものですね。

Q:視覚過敏と言われ薬を塗ってもらいましたが、まだ冷たいものを飲むとしみます。

歯の表層の硬いエナメル質が、欠けたり削れたりすることにより、外からの刺激が神経に伝わってでる痛みが、知覚過敏です。
知覚過敏のリスクは①歯ぎしり・食いしばり ②強い力での歯みがき ③研磨力の強い歯みがき剤の使用 ④歯みがき不足 ⑤酸性の飲食物の多量摂取 などです。
症状や歯の状態によっては、詰め物をしたり、噛み合わせの調整、マウスガードを使い歯ぎしりの影響を和らげたりしますが、原因が見つからない場合は、まずは生活習慣の改善をします。その次に薬剤の試し塗りです。症状の軽いケースはこれだけでよくなることもあります。
しかし、薬剤を塗ったあともしばらくは冷たいものにしみるなど治癒までに時間がかかることも少なくありません。様子をみながら段階的に治療を進めていきます。

Q:歯並びが悪いので矯正を考えていますが、治療中の痛みがとても心配です。

矯正治療を始めたいけれど治療に踏み出せない理由の一つに、「痛み」がある方が多いようです。でもご安心ください。治療期間中のほとんど、痛みはありません。
装置をつけて最初のワイヤー(針金)が入った時は、慣れるまでの数日から1週間ぐらい痛みがありますが、比較的強い痛みがあるのは、つけた翌日の1日だけ。その日をピークに徐々に痛みはなくなっていきます。次の来院時(約1か月後)には「装置にすっかり慣れた。痛みもない。」と皆さんおっしゃいます。時々は「全然痛くなかった」という方もいるほどです。念のため最初のワイヤーが入る次の日は、テストや試合、旅行など大切な行事がない方がいいでしょう。
その後の治療では、来院時にワイヤーを換える、あるいは換えずに調整します。ワイヤーを換えたときは多少痛みがでますが、これもすぐに慣れます。ワイヤーを換えずに調整した時は軽く締め付けられた感じがします。
矯正治療は長期間かかりますが、その間の痛みに関してはどうぞ心配しないでください。

Q:歯みがきのときに歯みがき剤はどれくらいの量を使ったらいいですか。昔はごく少量でいいと聞きました。

歯みがき剤は年々改良が重ねられ、推奨される使用量も多くなっています。現在、日本の歯みがき剤の90%にフッ素が入っていますが、これはフッ素がむし歯予防に効果があるからです。これまでの歯みがき剤には1000ppm以下のフッ素濃度が定められていましたが、2017年3月に1500ppmの配合が認められました。よりむし歯予防の効果が期待できるようになったのです。1450ppmの歯みがき剤の使用量の目安は15才以上の方で2cm、6~14才では1cm。メーカー自主基準では「6才未満のお子さんの使用は控えていただく」ことになっています。
効果をあげるにはいくつかのコツがあります。まず、毎日使ってください。特に寝る前の使用が効果的です。そしてお口の中のフッ素を流しだしてしまわないようにすすぎは最低限に、なるべく1回にしましょう。
むし歯になりやすい方はフッ素配合のジェルや洗口剤を併用してもいいと思います。フッ素がお口にとどまりやすく効果がアップしますよ。使い方など心配なときは歯科医院に相談して下さい。

Q:最近、前歯に白く濁ったようなところがあることに気づきました。以前はなかったと思います。むし歯でしょうか? 

これは「初期むし歯」の可能性があります。奥歯だと溝が茶色になる、前歯だと表面が白く濁るなどの変化がありますが、見た目にはわかりにくく、また痛みもありません。これが進行すると穴があいてしまうむし歯となり、削って詰める処置が必要になります。
初期むし歯はザラザラするものの穴はあいていない状態なので、削らないで経過をみていくことになります。この段階であれば、毎日のセルフケアで歯を修復し進行をくい止めることができるし、元のように改善することもあります。初期むし歯を修復するにはフッ素が有効です。フッ素入りの歯磨き粉やジェルの使用、歯科医院で高濃度のフッ素塗布などです。また油断をすると進行してしまうので定期的にチェックしてもらって下さい。
初期むし歯になってしまったのには原因があります。多くは歯みがきの仕方に問題があるでしょう。他に、食生活に問題がないか、フッ素を有効に使っているかなどいろいろな角度から考えてみる必要があります。

Q:7才の子供です。前歯の生えかわりが遅いので歯科医院で相談したら、レントゲン写真を撮りましょうとすすめられましたが、必要なのでしょうか?

多くの場合5~7才頃に前歯は永久歯(大人の歯)に生えかわります。その後徐々に生えかわりは進み、12~15才頃には永久歯全てがそろいます。この永久歯の生えかわりは、うまくいくのが当たり前だと思われがちですがそうでもありません。過剰歯(余分な歯)は30人に1人、先天性欠如歯(歯の数が足らない)は30人に1人というデータがあります。また、歯の数は正常でも、傾きや位置の異常な歯も意外に多いものです。
これらの異常は放っておくと、周りの健全な永久歯を傷つけてしまうという他に、歯ならびやかみ合わせを悪くする可能性が大きいのです。しかし、7~8才でレントゲン(歯全部が写るパノラマレントゲン)を撮れば、これらの異常を早く知ることができるので、早期にまたは経過をみながら必要に応じて適切な時期に手を打つことができます。お子さんの成長をみながらの長い治療になりますが、それだけ改善のための時間的余裕と治療の選択肢が多くなる、ということでもあります。

Q:歯科医院でデンタルフロスの使用を勧められました。歯ブラシだけでは汚れは落とせませんか?

歯の清掃で歯ブラシを使うのは当たり前だと思いますが、デンタルフロス(フロス)を使っている方は多くないと思います。「私はしっかり磨いているから大丈夫」という方、一度フロスを使ってみて下さい。意外と汚れ(プラーク)が残っていることに気がつくはずです。歯ブラシでは落としにくい①歯と歯の間 ②歯ぐきの溝の中にフロスは威力を発揮します。
フロスには、糸巻きタイプとホルダータイプがあります。ホルダータイプの方が手軽に使えますが、慣れれば糸巻きタイプの方がいいと思います。またさらにワックス付きとワックスなしのものがあります。フロスの使い方のポイントは、通すだけではなく、こすり取ること。フロスを止まるところまで優しく入れて、歯のカーブにそって上下に動かします。歯の溝の中のプラークまでしっかりこそぎ落とすようにフロスを動かしましょう。
ご自分に合ったフロスはどれか、使い方が分からないなど疑問があれば歯科医院に相談して下さい。

Q:歯並びが気になり治したいと思っています。矯正治療はどのように進むのでしょうか。

まずは「初診」の予約を取って下さい。お口の状態をみながら、治療の必要性、治療のメリットやデメリット、期間や費用について大まかな話をします。ご希望があれば次は「診査」に進んでいただきます。顔やお口の写真撮影、X線撮影、模型製作のための型取りなどをします。そして後日、診査結果の説明をします。患者さんの歯が今どういう状態なのかお話して、効果的な治療方法・装置をご提案します。また治療期間や、費用についての説明もします。
矯正治療を開始することになれば、歯みがきの練習・クリーニング、むし歯の処置などの「準備」をし、「装置を装着」していよいよ矯正治療のスタートです。
装置が付いてしまえば、だいたいは1ヶ月に1回の来院で装置を調整し、歯みがきができているかなどのチェックをします。
歯並びとかみ合わせがよくなったら装置を外しますが、かわりに歯並びを安定させるための「リテイナー」という取り外し式の装置を使います。この時の来院は、3~6ヶ月に1回になります。

Q:二人の子供がいます。同じように歯みがきをしているのに、兄はむし歯がなく妹にはたくさんむし歯があります。この違いは何でしょうか?

ご兄弟で来院されている方をみると、たしかにむし歯の数に大きな違いがあることがあります。そもそもどうしてむし歯になるのでしょうか?むし歯には①むし歯菌の数・強さ②むし歯菌の餌になる糖分③むし歯菌に抵抗する強さ④時間 が関係します。同じように甘いものを食べ、同じように歯みがきをしていても③の違い、つまり唾液の性状や量、歯の質、歯並び、フッ素の使用の有無などにより違いがでてくるのです。
唾液は食べかすや細菌を流したり、細菌の繁殖をおさえたり、むし歯予防にとても大切です。唾液の量が多く、唾液の力(中和作用)が強いほどよく、反対に量が少なく力が弱いほどむし歯になるリスクは高くなります。磨いているのにむし歯になりやすいと感じている方は、唾液の量が少なく力が弱いのかもしれません。
でもこのように不利な条件の方も、それに合わせた予防をすれば心配することはありません。歯並びに合わせた歯みがき練習、歯科医院での定期的なクリーニングとフッ素塗布を受け、おやつや甘い飲み物の取り方に注意しください。むし歯になりやすい方でも、むし歯ゼロは可能です。

Q:数年前に入れた歯の詰め物が取れてしまいました。どうしてでしょうか?

詰め物の形態、場所、その他諸々の状況によっては、取れやすいということもありますが、数年もたっているのであればむし歯や食いしばりが考えられます。
一番多い原因はむし歯です。詰め物はむし歯になりませんが、詰め物のまわりはむし歯になります。詰め物の周囲に汚れがついていると詰め物と歯の境目からむし歯になり、徐々に歯を溶かしていきます。すると境目には段差ができ、さらに汚れがたまりやすくなるという悪循環になります。むし歯が進行しついには詰め物が取れる、というわけです。
もう一つ考えられる原因は食いしばり(噛み癖)です。就寝中の歯ぎしりのように習慣的なものは、歯と詰め物にかなりの負担をかけます。この大きな力は歯をすり減らしたり、詰め物をとれやすくします。この場合マウスピースを装着して歯を保護することもあります。
詰め物がはずれた場合、なるべく早く受診してください。はずれたところからさらにむし歯が進むと、治療が複雑になり時間がかかるようになります。

Q:5歳の女児です。子供には将来きれいな歯ならびになってほしいと 思っています。今は特に気になるところはありません。どういう状態になったら受診すべきですか?

乳歯列期(子供の歯)からの理想的な成長が、永久歯(大人の歯)の正常咬合に必要ですが、実際は子供の成長発育をみていくとそうなることは少なく、途中で何らかの異常がでてくることがあります。そして成長のある時点で現れた異常が、永久歯の不正咬合(よくない歯ならび・かみ合わせ)につながっていくことがあります。その種類、発生時期は人様々ですが、共通して言えることは、現れた異常に早期に対応し、治療もしくは経過観察をしたいということです。
早期から診たい例として、永久歯の生えるスペースがないケース、変な場所(内側など)から永久歯が萌出したケース、習癖(指しゃぶり・舌癖)があるケースなどです。かみ合わせで言えば、受け口や開咬(歯がかんでいない)などです。これらのうちいくつかは直ぐに治療にかかりますが、いくつかは経過をみて然るべき時期に治療を開始します。早く治療を始めれば早く治り、永久歯になって矯正治療が必ず必要でなくなる、ということではありません。異常な成長発育を防ぎ、永久歯になってからの治療を楽にするのです。
ベストな治療開始のタイミングを見逃さないためには、成長期のお子さんであれば気になるところがなくても定期的な受診をおすすめします。

Q:「定期的にお口のクリーニングをしてください。」と言われますが、どんな事をするのですか?自分で磨いているだけではダメですか?

治療が終わった後も、治療後の経過を診てケアをするために定期的に予約をとっていただいています。このメインテナンスは、快適になったお口をより長く維持するために行われている、診察と検査、そしてクリーニングがセットになった歯科のケアシステムのことです。3~6ヶ月に一度、患者さんの症状に合わせた間隔で行います。
検査とクリーニングの主な担い手は歯科衛生士です。患者さんのお口の中を診て検査し、ホームケアできているか確認して、その方に合ったケア方法を提案します。歯周ポケットの深いところはどこなのか、磨き残しの多いところはどこなのか、把握できている方は少ないと思います。どんなによい詰め物や被せ物をしても、プラークが大量にあるお口であれば、新たな問題は必ず起こります。自分のお口の弱点を知りケアすることが治療を成功させるカギなのです。
上手な歯みがきのコツが分かった後は歯科衛生士がクリーニングします。歯のプロが器械を使って行うクリーニングは、治療や予防に効き目のあるレベルまでお口をいったん徹底的にきれいにするものです。歯のツルツル感、爽快感をぜひ味わってください。この本来の気持ちよさの発見でその後のケアも変わってくると思います。

Q:幼稚園の健診でむし歯があると言われました。おとなしく治療できるか心配です。痛みもありません。乳歯でいずれ抜ける歯なので、このままにしておいてもいいですか?

乳歯がむし歯になっているということは、口の中にむし歯菌がたくさんいるということです。このむし歯菌はこれから生えてくる永久歯をむし歯にしやすくします。さらに乳歯のむし歯が根っこにまで広がると、その下にある永久歯が感染してしまいます。むし歯菌に感染した永久歯はそうでない歯に比べ、むし歯になるリスクが高くなり、ひどいときは、エナメル質形成不全をおこすこともあります
また、乳歯のむし歯は歯ならびにも影響します。むし歯がひどくなって早く抜けたり、大きく欠けたりすると、永久歯の生える場所がズレてしまい、結果、叢生(ガタガタ)になります。
乳歯は軟らかく、歯の溝も深いので、むし歯は進行しやすいです。初めての治療は心配だと思いますが、早く受診した方が小さな治療ですみます。ごく小さなむし歯ならフッ素などを塗って、永久歯に生え変わるまで治療をしないで観察するだけですむかもしれません。理想的には、むし歯になる前に健診を受け、歯ブラシの練習から始め、歯医者に慣れておくといいでしょう。親子での予防健診がおすすめです。

Q:歯みがきは食後なるべく早くするのがよいと思っていましたが、最近、食後すぐに磨かない方がよいと聞きました。どちらがよいのですか。

私が子供の頃「3度の食事のあと3分以内に3分間歯を磨きましょう」と教わりました。でも今は、食後すぐに磨かない方がよいという見解もでてきました。食後は酸の働きによって歯の表面が溶けて柔らかくなっているので、その状態で歯を磨くと歯がすり減りやすい。食後30分位で唾液が酸を中和し、歯の表面の「再石灰化」がすすんだ後に磨くのが望ましい、というわけです。
しかし、中高年で歯ぐきが下がり歯の根がでている人や、酸蝕歯の人、また、特に酸性の強い食事をした時でなければ、すぐに磨いて問題ありません。唾液緩衝能の低い日本人には、30分後の歯磨きは合わないという見解もあるくらいです。
それよりもどう磨くかが大切です。歯みがきは食べかすではなくプラークを取り除くことです。プラークは18~24時間で取れにくくなるので、最低1日1回(特に就寝前)はしっかりと磨くこと。歯ブラシとフロスを使いすみずみまで磨きましょう。

Q:自分の口の臭いが気になります。何に気をつければよいですか?

現代では、からだの臭いへの関心が高まりつつあり、口臭を気にする人も多いようです。口臭には「生理的口臭」と「病的口臭」があります。
生理的口臭は、起床時や空腹時の口臭、緊張時の口臭、また妊娠時や月経時の口臭などがあります。水分や食事をとって唾液の量がふえれば、口臭も弱くなり、特に治療の必要はありません。
病的口臭は口や耳鼻咽喉科の病気の他、糖尿病、肝・腎機能障害などの全身疾患が原因のものもあります。しかし、口臭の90%は口の中に原因があるといわれています。その主なものは、歯周病、舌苔(舌の上のクリーム色の汚れ)、むし歯、不適合な被せ物、不潔な義歯などです。ガムやタブレット、洗口液などで一時的な対策はできますが、自分の口臭の原因を知り、根本的な治療を受けるようにしましょう。
また「心理的口臭症」と呼ばれるものもあります。「人が鼻をこすったのは自分の口臭のせい」などの強い妄想があるときは、精神神経科などの受診が必要になります。

Q:これから矯正を始めます。歯を抜いて治療すると言われました。できれば抜きたくありません。

矯正治療には抜歯(抜く)ケースと、非抜歯(抜かない)ケースがあります。抜歯ケースは、顎が小さい・歯が大きいなどの理由で歯がきれいに並ばず、乱ぐい(ガタガタ)になっている場合、また、上下の歯の前後的なバランスが悪い場合(極端な出っ歯、受け口など)です。
ガタガタの程度、出っ歯や受け口の程度によっては、歯を抜かないで顎を拡げるなどして治療しますが、限界はあります。その限界をこえて治療して一時的に満足できても、いずれ後もどりをしてしまいます。
歯を抜く場合は、抜くことによりかみ合わせがよくなり機能性が向上する上、審美的にもよくなる場合です。
もちろん我々もなるべく抜かないで治療したいと考えています。抜歯・非抜歯のボーダーラインのケースは歯を削るなどして抜かないで治療できることもあります。矯正は長期にわたる治療ですので、よく相談して納得してから始めてください。

Q:奥歯はむし歯になりやすいと聞きました。子供の奥歯のむし歯予防の方法を教えてください。

むし歯のなりやすさは、①むし歯菌の量②食習慣、そして③唾液の量、フッ素の使用などが関係します。むし歯を予防するには、食習慣(おやつのダラダラ食べ、ジュースを飲む、飴をなめる)を見直し、フッ素を利用するなどしたうえで、歯みがきをしっかりして口の中のむし歯菌を減らすことが重要です。悪くなったら治療ではなく、むし歯を予防しようという意識が大切かと思います。
むし歯予防のひとつの方法として「シーラント」があります。奥歯の深い溝(むし歯になりやすいところ)を、薬で埋めてしまい、むし歯菌から守るものです。シーラントはすべてのむし歯に対する万全の予防法ではありませんが、とても有効な手段です。シーラントは、むし歯になる前の健全な歯に行いますので、生えてきたら早めに処置するのが望ましく、子供でしたら6~12才が理想ですが、特定の年齢や時期はありませんので大人の方もできます。
まず歯面を清掃し、薬品で歯の表面を処理します。次にシーラント剤を流し込み特殊な光で固め、最後にかみ合わせのチェックをします。シーラントはある程度の耐久性がありますが、取れることもありますので、定期検診は受けて下さい。

Q:以前より口の中が乾いて食事がしにくくなった気がします。「ドライマウス」でしょうか?

唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥している状態を、ドライマウスと言います。緊張やストレスによる一時的な場合と、常に乾いている場合とがあり、3ヶ月以上続く場合をドライマウスと診断します。自覚症状は様々で、口の中がパサパサする、クッキーやパンが食べにくい、などの乾燥に直結したものから、口臭が気になる、虫歯が増えた、口内炎ができやすいなどの訴えもあります。
一番多いドライマウスの原因は、薬の副作用です。ストレス、老化、噛む力の低下なども原因として考えられます。治療法としては、まず薬剤の影響が疑われる場合は、医師に薬剤の変更が可能か相談して下さい。口腔内のケアも大変重要です。ブラッシングによる歯垢(プラーク)の除去、保湿剤を使った粘膜保護などです。アルコールのとりすぎに注意する、禁煙する、ストレスをためない、口呼吸をしない、正しい食習慣、食べるときはよく噛む、といったことも大切です。

Q:むし歯が進行してしまい、歯の神経を取りました。もう痛みはなくなると思っていましたが、噛むと違和感があります。

むし歯が進行すると、歯の中心にある歯髄(神経)が虫歯菌に感染してしまうため、神経を取る必要があります。これが「根っこの治療」です。感染した神経をそのままにしておくと痛みは激しくなり、さらには炎症が周りの骨などに広がってしまいます。
根っこの治療は、まず感染した神経を取り除きます。次に、空になった根っこのなかをきれいにします。最後に詰め物(薬)でしっかり封鎖して、細菌が入ってこないようにします。神経を取るのは、針のような道具に神経をひっかけて引き抜く処置になります。前歯に比べ奥歯の神経は複雑で細いので、根気のいる難しい治療です。この時、神経を体の一部からちぎって取り除いているので、歯の周囲にある神経や歯根膜(歯を包んでいる膜)に傷がつきます。ですからこの傷が癒えるまでの多少の違和感は仕方ない面があります。
神経を取った後は、やわらかいものを食べて安静にして下さい。それでも痛みが増すようでしたら何か他の問題が考えられますので、ご相談下さい。

Q:中学生の子供が、部活中によくスポーツドリンクを飲みます。多飲するとむし歯になりやすいと聞きましたが、本当ですか?

スポーツをされる方だけでなく、そうでない方も熱中症予防のためにスポーツドリンクを飲む方は多いと思います。汗で失った水分・電解質とともに、運動で失われたエネルギーをすばやく補給できる優れた飲み物ですが、歯のことを考えるとその飲み方には注意が必要です。スポーツドリンクのpHは約3.5で歯のエナメル質を溶かしてしまうpH5.5よりも酸性なので、長い間歯がスポーツドリンクにさらされていると歯の表面が病的に溶けてしまいます。これを「酸蝕歯」といいます。運動中は口で呼吸をすることが多く、口腔内が乾いているので特に影響を受けやすくなっています。
しかし、酸蝕歯がこわいからといって運動中にスポーツドリンクを飲まないと、電解質不足になったり、頭がボーっとしたり、痙攣をおこしてしまうこともあります。ちょこちょこと飲むのは水かお茶にして、休憩の時にまとめてスポーツドリンクを飲む、飲んだ後は水を一口飲む、など配慮して取るようにして下さい。

Q:口の中の汚れが風邪などに影響すると聞きましたが、本当ですか?

本当です。風邪やインフルエンザにかかるリスクを高くします。歯や舌、口の粘膜などには100億個もの細菌がいますが、歯みがきを怠っている人の場合、その数は1000億個とも。みなさんご存知のようにこうした細菌はむし歯や歯周病の原因になりますが、それ以外にもいろいろ悪さをすることがわかってきています。
お口の中のプラーク(歯垢)は細菌のかたまりです。栄養を取りながらどんどん数を増やし続けます。でもウイルスはこれとは違い、生きている細胞に入り込み、その細胞からエネルギーをもらわないと仲間を増やせません。インフルエンザウイルスはノドの粘膜をターゲットにし入り込もうとしますが、普段、粘膜は粘液でおおわれているのでウイルスは吸着できません(この時がガラガラうがいでウイルスを追い出すチャンスです)。
しかし、プラークに潜む細菌たちが出す酵素は、ノドの粘膜を守っている粘液を溶かし破壊します。そのためウイルスが吸着しやすくなり感染症にかかりやすくなってしまうというわけです。手洗い・うがい・栄養と睡眠、そして歯みがきで、風邪やインフルエンザを予防して下さい。

Q:電動歯ブラシの購入を考えています。使うときに気をつけることはありますか?

むし歯や歯周病の原因であるプラーク(歯垢)は、とてもしつこい汚れで、うがいや殺菌剤などでは落ちません。だから私たちは毎日歯磨きをします。器械的に取るのが最も効果的な方法なのです。
多くの方は手用の歯ブラシをお使いだと思いますが、電動歯ブラシもかなりの優れものです。手用よりも短時間で歯がツルツルになる爽快感は魅力です。ただし使いこなすにはちょっとしたコツと慣れが必要です。電動歯ブラシの場合、ブラシは動かさずに歯にあてます。手用歯ブラシのように動かしてはいけません。1~2本ずつ、数秒間です。強い力で押し当てないようにして下さい。歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯の溝など汚れの溜まりやすいところは特にブラシの毛先がきちんとあたっているか気をつけましょう。
各メーカーにより歯ブラシの形から振動の強さ、ハンドルの太さ、重さにいたるまで様々です。また、歯周病の方が使うのか、お子さんか高齢の方か、矯正治療中なのか、状況によって使いやすいブラシは違ってきます。ご購入の前にかかりつけの歯科医院で相談されると安心だと思います。

Q:8歳の娘です。虫歯の治療の時に、将来生えてくるはずの大人の歯が足りないと言われました。どのような治療が必要ですか?

永久歯は通常28本(親知らずを除く)生えてきます。しかし「先天性欠如歯」といって、あごの中にできるはずの歯の芽(歯胚)ができず、歯が生えないことがあります。約10人に1人のお子さんが先天性欠如歯という報告がありますので誰がなっても不思議ではありません。1~2本の欠如がほとんどですが、5本以上という方もいます。
歯が足りないためにおこる事は①かみ合わせが悪くなる ②かむ効率が悪くなる ③すき間ができるなど見た目の悪さ、です。
治療法としては①乳歯を大事に使い長持ちさせる ②矯正をする ③インプラントや被せ物で補うですが、乳歯の状態やかみ合わせにより異なってきます。
先天性欠如歯は早期発見が重要で、その後の治療に有利になります。先天性欠如歯かどうか心配な場合は、パノラマエックス線写真撮影をおすすめします。あご全体を撮るので歯根や歯胚の数、育ち具合までわかります。

Q:歯が折れてしまい、前歯を1本抜くことになりました。このあとブリッジにするか、インプラントにするか悩んでいます。

前歯が1本歯根ごと無くなった場合、人工の歯を再建しなければなりません。この方法にはブリッジまたはインプラント治療があります。ブリッジは失った歯の両隣の歯を削ってそこに被せ物をし(支台)、それらにポンティックという人工歯を連結するものです。様々な症例に対応し、治療期間も比較的短いのが特徴です。
インプラントは失った歯のところの歯槽骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯冠をつけるというものです。チタンのインプラント体は歯槽骨と強固に結合するので自立し、隣在歯を削る必要はありません。しかし、インプラント体を埋め込む歯槽骨の量が充分に確保されていることが治療の条件になります。歯槽骨が足りない場合は「歯槽骨再生療法」で骨を造成しますが、その量には限界があります。インプラント体の埋入から結合を確認するまで約数か月かかるので、治療期間は長くなります。
失った歯の両隣が健康な歯でしたら、インプラント治療もいいでしょう。しかし、診査の結果、歯槽骨が足りなく歯槽骨再生療法も困難な場合はブリッジをおすすめします。

Q:最近、歯磨きをすると血が出ます。痛みはありません。血が出てもこのまま磨き続けて大丈夫ですか?

歯を磨いて出血するのは、「歯周病」だからと思われます。何らかの原因で歯ぐきに傷がついたときは別ですが、普通に歯磨きをして健康な歯ぐきから出血することはありません。出血は歯ぐきに炎症がおきて腫れている証拠です。
歯周病の原因はプラーク(歯垢)の中のばい菌なので、きちんとプラークを取り除かないと炎症はおさまりません。プラークは殺菌剤の入ったうがい薬などで取れるものではなく、歯ブラシで機械的にとる必要があります。歯磨きで大切なのはきちんと磨けているか?ということです。歯磨きなんてやればできる、と思っている方もいるでしょう。しかし現実にはできていない方が多いのです。
磨き残しやすい場所はどこなのか?そこのプラークを効果的にとるにはどうしたらいいのか?年齢を重ねるにつれ、被せ物が入る等お口の中の環境も複雑になってきます。歯ブラシだけでは掃除しきれないこともあります。デンタルフロスや特殊な歯ブラシ、歯間ブラシの使い方を知って、自分にとって最適な磨き方を見つけましょう。一度、歯科医院で歯磨き指導を受けることをおすすめします。歯ぐきの炎症がよくなってくると、出血もおさまってきます。歯磨きは継続してがんばってください。

Q:歯ぎしりをしていると指摘され、マウスピースの使用をすすめられました。歯ぎしりの自覚はありませんが使った方がいいですか?

起きているときにする「食いしばり」ですら、自分では気がつかないことが多いものです。就寝時の「歯ぎしり」「食いしばり」は自覚できず、気がついて自分でやめることができません。歯ぎしりの力は大変強いので、それが長く続くと歯がすり減ったり欠けたり、歯周病が悪化します。また被せ物が壊れたり、歯が折れたり、せっかく入れたインプラントが壊れることもあります。
そこで、歯やあごに加わる過剰な力を減らすために、就寝時用のマウスピース(ナイトガード)の使用が有効です。多くは硬いアクリル樹脂で製作し上あごに装着します。使っていくうちにナイトガードが削れてくるので、歯ぎしりの状態もわかります。自覚がなくても起床時にあごに疲労感がある方は歯科を受診して下さい。お口の中のいろいろな症状で歯ぎしりをしているのがわかります。
歯ぎしりはストレス他、様々な原因が複合的に加わり起こるとされています。現実的にすぐに歯ぎしりをしないようにするのは難しいので、まずはナイトガードの使用が一番だと思います。

Q:6才の子供です。奥に生えてきた大人の歯の一部が黄色っぽくなっています。むし歯でしょうか?

これはエナメル質形成不全症と思われます。エナメル質は歯の表面の硬い組織で、内側の象牙質や神経を守る鎧のような働きをしています。エナメル質形成不全症は、永久歯の前歯と6才臼歯にみられることが多く、見た目の特徴としては白色、または黄色っぽい色をしています(健康な歯の色はクリーム色)。この部分はエナメル質の密度が粗く防御機能が弱くなっています。健康なエナメル質の歯に比べ、欠けたり崩れやすく、むし歯になりやすい歯といえます。
前歯の場合、強い力が加わりにくいので欠けにくいのですが、奥歯は噛んだ時の強い力により欠けやすく、またそこにプラークが溜まりやすいので、むし歯が発生しやすくなります。
エナメル質形成不全症の歯を大事に守って使い続けるには、予防・早期治療・経過観察が大切です。エナメル質が崩れたら、そこを補修、補強します。小さなうちに処置すれば削る量が少なくてすみます。そしてお子さんのお口の成長と完成をまち、必要に応じて本格的で長持ちする被せ物にかえます。定期的なメインテナンスはとても大切です。

Q:結婚式までに歯を白くしたいと思っています。ホワイトニングの方法、期間などを教えて下さい。

歯科医院ではホワイトニングを治療の一環として行っています。安全なホワイトニングができるように、むし歯や歯周病の治療、クリーニングなどの必要な前処置をしてから進めます。ホワイトニングにはホーム・ホワイトニング(低濃度の薬剤を使用)とオフィス・ホワイトニング(高濃度の薬剤を使用)があります。ホームは毎日2時間、薬剤を入れたトレーを自分で装着します。2週間ごとに歯科医院でチェックし、ご希望の白さになるまで続けます。1ヶ月以上かかることもあります。オフィスは1~3回の来院です(個人差があります)。とにかく早く白くしたい、という方はオフィスがいいでしょう。自分で毎日続けるのは面倒、トレーの違和感が気になる、部分的に白くしたい方にもオフィスをおすすめします。じっくり時間をかけられる、できるだけ費用を抑えたいという方にはホームがおすすめです。
どちらもホワイトニング後は、後もどりを防ぐために定期的なメインテナンスが必要です。3ヶ月~1年ごとのタッチアップ(色補正のための適宜行うホワイトニング)を検討していきます。

Q:小学1年生の子供がいます。前歯が抜けて大人の歯が生えてきました。この時期に気をつけることはありますか?

6~7才頃、乳歯列の奥に永久歯(6才臼歯)が生え、6~8才頃に上下の前歯4本が永久歯に生えかわります。前歯に続いて9~12才頃に側方の歯が永久歯になります。生えたての歯は軟らかく、むし歯菌の出す酸に弱いうえ、他の歯より低い位置にあるので、噛み合わせの面が磨きにくく、むし歯になりやすくなっています。一番奥に大人の歯がでてきたら、一度歯科医院でこの時期にあった歯みがきの方法を教わるとよいでしょう。
また、生えたての奥歯には深いみぞがあり、汚れや食べかすがつまりやすいので、「シーラント」でうめてしまうとむし歯の予防になります。
この時期は歯並びが変化する時期でもあります。叢生(ガタガタ)、出っ歯、受け口になるなどの変化があれば歯科医院を受診して下さい。この時期に治療を開始した方がよい場合があります。

Q:中学生の子供が、転んで口を強打し前歯が抜けてしまいました。今後はどういう治療が考えられますか?

歯周病などで歯が抜ける場合と違い、突然のことなのでさぞかし驚かれたことと思います。まずはかかりつけの歯科医院に連絡し、受診して下さい。
外傷で抜けた場合は、その歯を戻せる場合があるので、歯を開けたての牛乳パックの中に入れ、なるべく早く持って行って下さい。その際、乾燥させたりこすったりしないで下さい。
運悪く歯を戻せなかった場合は、両隣の歯の処置を終え(脱臼、破折している場合が多い)人工の歯を入れます。治療方法として①インプラント②ブリッジ③入れ歯④応急処置のまま があります。年齢から考えると①は禁忌、③は受け入れ難く、②のブリッジも未熟な歯を大きく削るリスクを考えると避けたいところです。そこで④の人工歯を隣の歯に接着剤で仮付けする方法が多くとられます。強い力がかからなければ長く持ちますが、取れたらその度に付けなおす必要があります。
これ以外に接着ブリッジ(両隣の歯の後ろを薄く削り、そことダミーの歯を付ける)もあります。噛み合わせによっては適応できないこともありますが、大人になって本格的な治療を決めるまでのひとつの選択肢です。

Q:歯が痛くなったので歯医者に行こうと思っていたら、痛みがなくなってしまいました。むし歯が治ってしまったのでしょうか?

健康な歯の構造は、表層にエナメル質、その内側に象牙質、そして真ん中には歯髄(神経)があります。硬いエナメル質は、歯を外からの刺激から守っています。むし歯がエナメル質に限られていれば痛みは感じません。ここで治してしまうのが理想です。ところが、エナメル質に穴が開きむし歯が象牙質にいたると、痛みを感じるようになります。この頃の痛みは、外からの刺激を受けた時に少し感じる程度です。また、唾液の作用によって、痛みが一時的になくなることもあります。
しかしむし歯がなくなったわけではありません。むし歯がさらに大きくなり歯髄に細菌が入り込むと、つらい痛みを感じるようになります。歯髄が腫れて、膿がたまると激烈な痛みになりますが、さらに進行して、歯に穴が開いて膿が外に出るようになると内圧が下がり、また痛みは引いてしまいます。楽になったからといってこの状態で放置するともっともっと炎症は周りの組織(骨など)に広がり、治療は大変になります。
むし歯は一度痛みが出たら、早いうちに処置することが大切です。

Q:がん治療を始めるにあたり、口の中のクリーニングとむし歯の治療をするように言われましたが、どういう関係があるのですか?

医療の進歩によりがんも治る病気になってきましたが、一方で副作用による合併症に苦しむ方も多くなってきました。がん治療の副作用というと、吐き気や脱毛を思いうかべますが、口の中もおおいに関係します。がんの治療中は口に様々なトラブルが起きやすくなるのです。
例えば、抗がん剤治療により口内炎ができやすくなります。口の中を清潔にしていないと、口腔細菌によりひどい口内炎ができ、その結果食事や睡眠がままならなくなると、体力の回復はもちろん治療の継続が難しくなってしまうこともあります。また、むし歯や歯周病が急激に悪化したり、口腔細菌が唾液と一緒に入ると誤嚥性肺炎をひきおこすことも。
がんの治療前はもちろん治療中も口腔ケアをすることにより、副作用によっておこりがちな口内炎・肺炎・敗血症などを確実に減らすことができ、がん治療の成績が向上します。どうぞ、治療の効果があがって病気が治りますようにお祈りいたします。

Q:口内炎がよくできて困っています。気をつけることはありますか?

口内炎とは口の粘膜におこる炎症の総称です。その中にはアフタ、カンジタ、ウィルス感染による水疱、外傷によるもの、前がん病変などあります。多くの方が経験しているのは「アフタ」という口内炎です。この白色で米粒大のぽつぽつの特徴は痛みが強いこと。食事がつらいこともあると思います。痛みが強い時は、塗り薬や貼り薬などを使いますが、何もしなくても約2週間で治ってしまいます。
アフタの原因はビタミンB不足、鉄分不足、体力が落ちた時にできやすいとか様々言われていますが、実はまだ明らかになっていません。栄養バランスに気をつけ、疲れを溜めない生活は大切ですが、これという予防法はないので対症療法が主になります。お口の中を清潔に保つのはとても重要です。お口の中の細菌が多ければ口内炎はなかなか治りません。
まれですが全身の病気で口内炎ができることもあります。2週間たっても改善しない時は受診を考えて下さい。

Q:歯科で撮るエックス線写真、できるなら撮りたくありません。撮らなくても治療はできますか?

歯科の病気は見えるものや、痛みがあって気がつくものばかりではありません。むし歯が外から見えない深い部分にひろがっていたり、歯周病で歯根を支える骨が吸収されている状態を把握するにはエックス線検査が必要です。エックス線写真なく手探りで治療を開始することは考えられません。
歯科の代表的エックス線写真は、デンタルエックス線写真とパノラマエックス線写真です。パノラマは、あごの骨を含めたお口全体の硬組織をうつします。歯とあごの骨全体の状態、上顎洞や神経の位置、未萌出の歯の位置や方向なども分かります。有益な情報いっぱいのパノラマですが、弱点は画像のシャープさに欠けるところ。そこで、パノラマでは読み取れない細部についてはデンタルエックス線写真が必要になります。デンタルエックス線写真のフィルムは小さく、撮影できるのは3歯位です。
放射線量はデンタルエックス線写真はおよそ1枚0.005m Sv、パノラマエックス線写真は0.006m Sv。自然放射線量の世界平均2.4m Sv(日本は1.43)と比較しても心配するような値ではないので、安心して受けてください。

Q:ラグビーをしていてマウスガードが必要です。市販のものと歯科医院でつくるものの違いは何ですか?

スポーツ時の外傷から歯やあごなどを守る装置に「マウスガード」があります。試合や練習の時の歯の外傷(歯が折れる、抜けるなど)や口の中とその周辺(唇、舌、頬など)の裂傷の予防、あごの骨折予防、あごの関節の保護、そして脳震盪の予防のために使われます。また、全身運動時にマウスガードを装着して噛みしめると、首のまわりの筋肉の活動を高めることができますし、装着することによる安心感がよりアグレッシブなプレイを生むなどの効果も期待できます。
マウスガードには大きく分けて3つのタイプがあります。ひとつは購入してただ装着するだけの既製品。もうひとつは選手自身が成形するタイプ。3つめが歯科医院でつくるカスタムメイドタイプです。既製の市販品は、適合性や形態が不良な事が多く、十分な外傷予防効果が期待できないばかりか、噛み合わせがズレてしまうこともあります。一方カスタムメイドのマウスガードは、適合性に優れ、厚みの調整や材質を選択できるなど自由度も高く、衝撃吸収性も期待できます。そして何といっても正しい噛み合わせで提供することができます。

Q:歯には「キシリトール」がいいと聞きますが、キシリトールって何ですか?

コマーシャルでたびたび耳にするキシリトール。今では市販のチューイングガムの80%がキシリトール入りになりました。キシリトールは白樺や樫などの樹木に含まれる「キシランヘミセルロース」から作られる天然素材の甘味料です。カロリーは砂糖4.0kcal/gに対し3.0kcal/gとやや少なめですが砂糖と同等の甘味があります。砂糖と同じ甘さの糖分なのになぜむし歯にならないのでしょう。

キシリトールと砂糖は分子構造に違いがあり、この差からむし歯菌のミュータンスはキシリトールを取り込んでも、むし歯の原因である「酸」を作ることができないのです。それどころかキシリトールを取り込み続けたミュータンスは無駄なエネルギーを使って疲弊した結果、力が弱まってしまうのです。

いろいろなキシリトール製品がありますが、代表的なのがガム。ガムをかむ時はミュータンス菌にキシリトールを与えるため、最初のツバはすぐに飲みこまず2分程度口の中に回しましょう。ガムが苦手の方にはタブレットでも。キシリトールはフッ素と併用することで効果が高まりますので、フッ素・キシリトール入り歯磨き剤もおすすめです。

Q:若い頃はきれいな歯並びだったのに近頃は出っ歯になり隙間も。食べにくいし、口元が気になり、矯正治療で治せますか?(50代女性)

矯正治療は、子供だけではなく、大人・年配の方の歯並びも治します。「若い頃は歯並びが良かったのに、最近、出っ歯になってきた」のは、歯周病で病的に歯が動いたり、奥歯が欠損したまま治療を放置したことが原因と考えられます。
歯周病になると、歯が動揺し、そこへ噛む力が加わると、歯は少しずつ動き・倒れ、隙間も目立つようになります。奥歯を失い前歯に力がかかりやすい患者さんでは、とくにこうした症状がおこりやすいです。この症状が進むと、ついには噛み合わせが変わり、しっかり噛んで食べられなくなります。
歯周病の炎症があっては歯を動かせませんので、まずは歯周病の治療をし、炎症が止まったところで矯正治療を開始します。もともと歯並びが良かった患者さんなら、歯を並べるスペースがあるのでむしろ治療には有利です。部分的な矯正治療できれいに並ぶこともあります。この治療は、可能な限り歯を抜かず、食事が楽になるうえ、見た目も驚くほど若々しくなり、患者さんに喜ばれる治療です。

Q:私は小さい時からむし歯がたくさんありました。私の子供もむし歯だらけ。むし歯が多いのは遺伝でしょうか?(30代女性) 

むし歯は菌の感染によって起こる病気なので、お子さんのむし歯が多いのは遺伝のせいではありません。生まれたての赤ちゃんの口の中にはむし歯菌も歯周病菌もいません。では、どうして感染していくのでしょう。
まずは、家族の口の中の菌が移ります。よくあるのが離乳食を食べさせるとき。親や祖父母が使ったスプーンで子供に食べさせると、菌が移ります。大きくなってからも同じ箸やコップの使用で移ります。むし歯だらけのお母さんの口の中にはむし歯菌がうじゃうじゃ。そんなスプーンで食べたら赤ちゃんの口の中もばい菌でいっぱいになってしまいます。でも現実的には菌が移らないなんてありえません。少しでも口の中の菌を減らすことが大切なのです。
また、家族は生活習慣も似ています。ダラダラ食べる、甘い物を飲む、歯みがきをきちんとしないなど、むし歯になりやすい環境をつくっているのです。
菌が移ってしまう!なんて神経質になる必要はありません。愛する家族のため、自分のため、日頃のセルフケア、定期的なプロのクリーニングをうけて口の中の菌を減らしましょう。

Q:総入れ歯になりましたが“この後も半年に一度は来て下さい”と言われました。入れ歯が壊れなくても行く必要はありますか?

何度も通院し調整をくり返し、やっと合う入れ歯を手に入れたのだし、歯はもうないし…、なぜこれからも通わなくてはならないのか?と、お考えなのですね。
入れ歯がすりへったり、壊れた場合はもちろんですが、入れ歯を長く快適に使うには他にもとても大切な条件があります。土手(もともと歯が生えてたところ)の状態と、噛み合わせの状態です。
土手は歯を失うことによりボリュームがなくなり、変化します。総入れ歯を使っているうちにも少しずつ変化するので、以前は合っていた入れ歯がだんだん合わなくなることがあり、調整が必要になります。もうひとつの問題が噛み合わせです。総入れ歯の方はご自分の歯がないために、下あごの位置に変化がおこりやすく、入れ歯を入れてかんだ時、力のかかり方が偏ってしまうことがあります。この偏った力がガタつきの原因になります。
土手や噛み合わせの変化は徐々におこるので気がつかずに使い続けてしまい、ある時いきなり問題は表面化します。ですから半年ごとのチェックで大きなトラブルの予防をしましょう。

Q:25才の女性です。むし歯の治療中で、今は仮歯が入っています。とてもきれいで何不自由ありません。このままでもよいですか?

仮歯がきれいで気に入ったため、治療が途中になってしまう方がいますが、決して仮歯のまま治療を止めないで下さい。なぜ、仮歯は必要なのでしょう?大きなむし歯や折れた歯の治療途中に、見た目をよくするため、食べやすくするため、そしてむき出しになった象牙質(歯の表面の硬いエナメル質の内側にある軟らかくてデリケートなところ)を守るためです。
仮歯は短期間の使用を前提に作られています。材質は軟らかいプラスティックですので、吸水性があり変色しやすく劣化します。そして、外すことを考え、弱い接着剤で仮に止めてあります。また、本物のクラウンのように精巧ではなく、歯との適合は完全ではありませんので、境目などに汚れが付くこともあり、そのまま放置すると、むし歯や歯槽膿漏の原因にもなりかねません。仮歯でずっといると知らず知らずのうちに汚染されて、治療がさらに大変になることも。
仮歯はあくまで一時的なもの。今はお気に入りでも、いずれポロッと外れ治療は必要になります。しっかり最後まで治療は受けて下さいね。

Q:7歳の娘ですが、前歯が大人の歯になったら歯並びが悪くなってしまいました。いつから治療を始めればいいでしょうか? 

6~8歳のお子さんの永久歯が生えてきたら歯並びが悪くなった、という話をお聞きすることがあります。小さい乳歯から立派な永久歯になるこの時期、乱ぐい歯(ガタガタの歯並び)や、出っ歯、受け口になることがあります。こんな時は矯正歯科医に相談して下さい。思春期成長期前の前期治療(一期治療)が有効な場合があります。
前期治療とは、あごの骨格が成長途上で柔軟な時期に、主訴および骨格の問題を改善することを中心に考える治療です。その後、経過観察を経て、全て大人の歯になってから、後期治療(二期治療)をして最終仕上げをします。通常は、前期と後期治療はセットで行なわれますが、稀に前期のみで十分に改善され終了となる例もあります。前期治療が特に必要なのが、受け口と開咬(奥歯が噛んだ状態で前歯が閉じない)です。極端な出っ歯、乱ぐい歯にも前期治療の効果は大きいです。
いずれにしても、遅すぎる受診はあっても、早すぎる受診はないので、心配な時はご相談下さい。

Q:高齢者は、口の中の汚れと肺炎が関係することがあると聞きましたが、どうしてですか?

日本人の死亡原因は「がん」「心疾患」「脳血管疾患」についで「肺炎」が第4位です。その肺炎で死亡する方の90%以上が65歳以上の高齢者で、その70%以上が「誤嚥(ごえん)」に関係していると言われています。
誤嚥とは、食べ物や飲み物、胃の中の物が誤って気管に入ることです。通常、空気は気管へ、食べ物飲み物は食道へと上手に振り分けられます。しかし、気管と食道は隣り合っているため、誤って食べ物などが気管へ入ってしまうことがあります。その気管に入ってしまった物に含まれる細菌が原因で肺炎になることを「誤嚥性肺炎」といいます。
誤嚥性肺炎の予防には、誤嚥を防ぐこと(よく噛んでゆっくり飲み込む、食事時の姿勢に配慮する等)、免疫力向上のため栄養状態の改善に努める他、もし誤嚥しても肺炎にならないよう適切な口腔ケアが必要です。まず歯みがきやうがいなどで、歯垢・舌苔(舌につく汚れ)を除去し、口腔内の細菌を減らします。入れ歯の清掃にも注意し清潔に使用します。嚥下(物を飲み込むこと)機能低下を抑えるためには、口腔内マッサージやリハビリも行ないます。

Q:子供の前歯が上下かみ合っていません。舌の動きが悪いかもしれないと言われました。正しい舌の動きを教えて下さい。

私たちの舌は食べる時、おしゃべりする時、様々な場面で繊細な動きをしていますが、それを意識することはほとんどないと思います。
この舌の位置や動きが悪いことを「舌癖(ぜつへき)」と言います。奥歯をかみ合わせても前歯が閉じない状態を「開咬」といいますが、舌癖が原因の事が多いのです。
実は、舌には収まるべき正しい位置があります。唇を軽く閉じたとき、舌全体が上あごの天井にぴったりと付き、舌の尖端は上の前歯に触れていないか、触れても前歯の根元に軽くふれるくらいです。そして、つばをゴクンと飲んだ時に、その尖端はそのままで前歯を押すことはありません。舌の筋力がないと、定位置におくことも難しいですし、動きも悪くなり、よくない力を歯に加えることになり、歯並びに影響します。
舌癖は、舌の定位置を覚えるとともに、舌と唇の筋力を鍛えることで改善します。舌癖がなくなるとそれだけで歯並びが改善することもありますし、矯正治療の効果もだんぜん上がります。

Q:50歳男性です。むし歯が進行し、奥歯を抜かなくてはいけなくなってしまいました。どんな治療法がありますか?

奥歯の喪失は、咀嚼機能の低下を引き起こします。そこで、人工の歯を入れて機能の回復を図ることが大切になります。治療の選択肢となるのが、①部分入れ歯 ②ブリッジ③インプラントです。それぞれにメリット、デメリットがありますので、患者さんの口の状態(失った歯の種類・失った原因・残った歯とその周囲の状況)と、ご希望に合わせて選択します。
①部分入れ歯は、歯をたくさん削らなくてすみ、取り外し式で手入れが楽な反面、違和感もあり噛む力も弱くなる。
②ブリッジは固定されているので、違和感が少なく噛む力が落ちない反面、両隣の歯を削る必要がある。
③インプラントは、健康な歯を削る必要がなく周囲の歯に負担をかけない反面、治療期間が比較的長く、自費診療になる。
どの治療法を選択したとしても、安定した予後のため、定期的なメインテナンスが必要です。入れた歯がいくらしっかりしていても、その周りの状況が悪くなってしまうと、ブリッジやインプラントに負担がかかり、長持ちさせられなくなります。

Q:たばこを吸うと歯周病になりやすいって本当ですか?

たばこの影響というと、肺がんや気管支炎を思いうかべる方も多いと思いますが、実は口の中にも様々な影響があります。
①口臭が強くなる ②味覚・臭覚が低下する ③歯の表面に歯垢(プラーク)が付きやすくなるのでむし歯になりやすい ④歯周病を悪化させる 等です。
歯周病で歯肉に炎症がおきると、出血したり腫れたりするので病気にかかったことに気づきます。しかしたばこを吸うことによって血管が収縮し、出血や腫れが少なくなると発病に気づきにくくなります。またニコチンやタールの影響で、歯肉への酸素供給量が減ったり、白血球の正常な働きが弱ってしまう結果、免疫力が低下し歯周病が進行・重症化することがあります。
喫煙は口腔内に様々なトラブルをひきおこします。これは周りに漂う煙を吸う(受動喫煙)方も同様です。歯周病や口腔がんのリスクを減らすために、禁煙はとても大切なことなのです。

Q:親知らずが生えてきましたが、斜めになっています。痛みがなくても抜いたほうがいいのでしょうか?

親知らずは、一番奥に生えてくる歯で、多くは成人してから生えてきます。現代人のあごはスリム化する傾向にあり、一番最後にでてくる親知らずが出られるスペースはありません。結果、水平や斜めに生えていろいろなトラブルを引き起こす原因になります。
例えば、前の歯の歯ぐきの下にむし歯をつくったり、歯ぐきに炎症がおきて腫れたり、さらには歯を支える骨を溶かしたり。歯並びやかみ合わせに影響することもあります。将来、こんなトラブルが予想される場合には、痛みがなくても抜いてしまった方が得策です。もちろんまっすぐに生えて上下しっかり噛んでいる歯は抜く必要はありません。
横向きの親知らずの抜歯は、歯ぐきを切り、必要に応じて歯のまわりの骨を最小限に削ったりと大変です。術後も痛み・出血があり、腫れます。神経に近い親知らずを抜く時はしびれがでることもあります。事前に、抜く理由やリスクについてしっかり説明を受けましょう。

Q:これから歯の矯正治療を始めます。治療中に気をつけることはありますか?

歯科矯正は、全顎的治療(全ての永久歯に装置をつける治療)で、きれいになるまで2~3年、さらにきれいになってからのメインテナンス(保定期間)に2年以上かかります。この間一番大切なのは、自分の歯並びをよくするために長時間じっくりと、治療に向き合うこと。つまり「やる気」です。
いくつか具体的に気をつけることをあげます。
①歯を動かしている期間は、4~5週間間隔で受診しましょう。保定期間は、数ヶ月~半年毎のご予約になりますが、必ず受診して下さい。
②取り外しの装置・自分で付けるゴムは、必ず指示された時間使用しましょう。
③歯みがきは時間をかけてていねいに。ワイヤーの下、装置と歯ぐきの間など、磨きにくいところがあります。治療中、むし歯や歯肉炎にならないように。
歯みがきを怠らず、予約どおり受診し、ゴムや取り外しの装置を指示された時間使う方は、予定の治療期間で終了します。変化していく歯並び、これからの矯正治療を楽しんで下さい。

Q:口臭が気になります。予防法はありますか?

気になるお口のにおい。このにおいの正体はお口のなかにいる細菌がたんぱく質を分解して作る、揮発性の硫黄化合物です。自分の体内で作られ、しかも四六時中嗅いでいるため慣れてしまい、においを撒き散らす当人は気付かないことが多く、その一方、他人の口臭には慣れていないためよくにおいます。
口臭には、朝起きてすぐなど誰にでもある「生理的口臭」と、病気が原因でにおう「病的口臭」があります。生理的口臭は食事をすることによって減らせます。食べ物が舌や粘膜の掃除をして舌苔(舌の上のクリーム色の汚れ)を減らし、また噛むと唾液が出て口のなかを洗い流してくれるからです。
病的口臭の原因は、歯周炎です。病的口臭をなくすには歯周炎の治療が不可欠です。歯周ポケットの歯石やプラークを取り除き、口臭を作る歯周病菌を口の中から追い出すのです。こうしてにおいの原因をもとから断った後は、半年に一度のクリーニングを受け、毎日の歯みがきに加え舌ブラシとフロスも習慣化しましょう。

Q:家族から歯ぎしりをしていると言われました。歯ぎしりってやらない方がいいのですか?

『歯ぎしり』は、寝ているときにギリギリと歯を強くこすり合わせることです。似たものに『くいしばり』があります。これは就寝中に限らず日中に歯をグイッとくいしばることです。どちらも無意識に行われていることで自覚することはまれです。

歯を失う主な原因として①むし歯②歯周病がありますが、他に③過剰な力があります。私たちの歯は食事の時・唾を飲みこむ時以外、離れているのが普通ですが、これ以外にも強い力が加わり続けると、知らず知らずのうちに歯や歯根、歯を支える骨までも痛め、さらには顎の関節にもトラブルが生じることもあります。

歯ぎしりもくいしばりも主な原因はストレスなので、生活の見直しは欠かせません。歯科に限らず医療全般にいえると思いますが、健康はセルフコントロールによって守られます。日中のくいしばりなら気づきさえすれば減らすことができます。また、マウスピースの使用も効果的です。食事以外一日中使用すると歯ぎしり・くいしばりを発見できるとともに、歯や顎への負担も軽くなります。

Q:酸蝕歯(さんしょくし)ということばを聞きました。どういう歯のことですか?

むし歯菌が出す酸によって歯が溶けるのがむし歯。酸蝕歯とは酸性の食べ物、飲み物の影響によって溶けてしまった歯のことをいいます。どんな人も日常的に酸の影響を受けていますが(つまり溶けている)、唾液の力(再石灰化)によってエナメル質(歯の表面の硬い部分)が修復され、そのバランスが保たれています。しかし、酸性の飲食物に長く触れたり唾液の減少などにより、そのバランスが崩れると問題が生じます。
コーラ・スポーツドリンク・黒酢ドリンク、グレープフルーツ・レモンなど酸性の飲食物が好きな方は気をつけて下さい。予防法は①酸性の飲食物を口にしたらその後すぐ水かお茶を飲む②すっぱいものを食べたら30分ほど歯みがきを控える③口が渇いているときは酸性の飲食物を控える④フッ素入りの歯磨剤やジェルを使う、などです。
酸性の食べ物・飲み物のなかには体に良い物がたくさんありますので、必要に応じて摂ることは大事なことです。飲み方・食べ方に注意をしてエナメル質を守りましょう。

Q:60歳です。部分入れ歯を使っていますが、痛みがあります。インプラントにかえた方がよいのでしょうか?

インプラントはあごの骨に埋めたチタン製の人工歯根・それに取り付ける連結部分(アバットメント)・それを覆う人工の冠の3つのパーツから成ります。
治療は①検査 ②治療方針・費用等説明 ③前準備(歯周病・虫歯の治療等) ④インプラント埋入 ⑤3~6か月後、あごの骨とインプラントの結合を待ってアバットメント連結 ⑥歯肉の治りを待って人工の歯・入れ歯などの型取り ⑦仮歯 ⑧最終完成物のセット、と少し時間がかかります。
また、丈夫で長期にわたり噛む力を受け止められるように設計されているものの、歯ぎしりなどの過度の力で精密な部品が壊れることもありますし、インプラント自体は問題がなくてもそれを支えるあごの骨が歯周病でなくなるとグラグラするなど、治療後のケアが耐久性を大きく左右します。
しかし失った歯の代わりとして、人工の歯を違和感なく使うことができ、またインプラントに磁石をつければ入れ歯の安定が格段にアップします。インプラント治療は現状を改善するためのよい方法と思います。

Q:8才の女の子です。前歯が永久歯になったら、出っ歯になった様な気がします。いつから矯正を始めたらいいですか?

一口に出っ歯といっても、前歯に限ったものなのか、奥歯にもかみ合わせのズレがあるのか、骨格的な問題があるのかなどいろいろな状態があり、それぞれ治療方法が違ってきますし、矯正治療の開始時期も異なってきます。
一般に矯正治療というと、永久歯全部に装置をつけワイヤーを装着すると思われるようですが、不正咬合の状態によっては、永久歯に生えかわる前(混合歯列期)の治療が有効な場合もあります。早くから始めるメリットは、成長を利用できる、歯を動かしやすい、という点でしょう。また、早期の開始により歯を抜かなくてもすむこともあります。
初めてのご相談(初診)の時におおよその説明ができます。その後の診査(X線撮影・お口の型とり・写真撮影等)結果をもとに長期的な治療計画を立て説明いたします。早く始めなくてもいい場合は、永久歯が生えそろうまで、1年に数回定期観察をしていきます。

Q:歯の色をきれいにしたいのですが、どんな方法がありますか?

歯の色をきれいにするには、「ホワイトニング」の他、歯の表面を薄く削ってセラミックのシェルを貼る「ラミネートべニア」、歯を削って被せる「クラウン(冠)」などがあります。今回はホワイトニングについてご紹介します。
ホワイトニングには二種類の方法があります。ひとつは歯科医院で行なうオフィスホワイトニング(以下オフィス)。もうひとつがご自宅で行なうホームホワイトニング(以下ホーム)です。
オフィスはホワイトニング剤を歯に塗布し光をあてて漂白します。歯の色調にもよりますが数回の来院が必要です。ホームは歯科医院でつくったトレーに薬剤を入れ自宅で装着します。オフィスより薬剤の濃度は低く、緩やかに効いていくので効果をすぐに実感できません。しかしオフィスよりも後戻りが少ないというメリットがあります。
それぞれに良さがあるのでどちらを選択するかは相談して決めてください。効果的にホワイトニングするには両者を併用するのがよいでしょう。ホワイトニングは自費診療になります。当院ではホームの場合、片顎(上または下)で9,450円~です。

Q:歯が浮くような感じがあり、歯みがきをすると出血します。痛みはありませんが受診したほうがよいですか?

これは「歯周病」かもしれません。すぐに受診して下さい。歯周病は歯垢(プラーク)や歯石にかくれた細菌によって発症する感染症です。はじめは歯ぐきが腫れる歯肉炎、そして進行すると歯を支える歯槽骨がとけてしまう歯周炎へと悪化します。
歯周病の治療の基本は「歯周病菌の除去」。つまり徹底的にプラークと歯石をとることです。患者さんに合った歯みがき指導は基本かつ最重要課題。そして歯面だけでなく歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝。歯周病が進むほど深くなる)の中を、プロフェッショナル・クリーニングできれいにする必要があります。これらの初期治療で炎症がなくならない場合は、歯周外科治療などに進みます。
日本人の成人の80%以上に歯周病の症状があると言われていますが、痛みがないままひそかに進行するので、つい受診が遅れてしまい治療が大変になることも。小さな治療で大きな効果をあげるには早期発見・早期治療が重要ですが、何より歯周病の治療は根気よく続けることが大切です。

Q:娘の矯正治療をみていて、私もしたくなりました。何才くらいまでできますか?

歯の根っこ(歯根)と歯を支えるあごの骨(歯槽骨)がしっかりしていれば、いくつになっても可能です。現実にはおとなの患者様の場合、歯周病に罹っている方は大変多いもの。でも歯周病の治療をきちんと受け、炎症のコントロールができていれば、ほとんどの場合矯正はできます。ただし、通常より弱い力をかけるなど配慮も必要になってきます。
こどもの矯正治療と違う点は、あごの成長を利用できないぶん抜歯するケースが多い、ゆっくり動かすため治療期間が長くなる、また動かせる量にも制限がある、などです。反面、ご自身の強い意志で始めるおとなの方は治療中のモチベーションも高く、治療は順調に進むことが多いです。
治療後は歯磨きが楽になり虫歯・歯周病のリスクが低くなる、偏った力がかからないので詰め物・被せ物が長持ちするなど、お口の健康に与える影響は大きいもの。今や矯正治療はこどもだけのものではありません。

Q:7才の男児です。前歯が永久歯に生えかわったら受け口になりました。

治したほうがいいですか?

一般的な噛み合わせは、下の前歯より上の前歯が前にあります。その逆を受け口、または反対咬合といいます。受け口ですと、サ行の発音がしづらかったり、前歯で食べにくかったり、時には歯ぐきが下がったり歯がぐらぐらになることもあります(外傷性咬合)。その顔貌に劣等感を持つ方も多く、心理的な問題も大きいと思います。
治療の時期については①早く始める ②成長が止まった頃 の二つの考えがあります。下顎は身長と同時期に成長するので、一度治してもまた受け口にもどってしまうことがあります。患者様によっては成長が止まってから(20才以降)外科的手術をすることもあります。
しかしその後の顎の成長をより良い方向に導くために7~8才で受け口の治療を開始することはとても大切だと私は考えます。装置は、取り外しのできるもの、つけっぱなしのものなどいろいろあり、噛み合わせにより選びます。

Q:水でうがいをするとしみる歯があります。 知覚過敏でしょうか?

私たちの歯の表面は硬いエナメル質で覆われています。外界の刺激から歯を守ってくれているエナメル質のどこかが失われたり、ヒビ割れたりすると、刺激が神経まで届いてしまい痛みがでます。これが知覚過敏です。知覚過敏の症状は軽度のものから重度のものまで様々です。生活習慣を見直す(ゴシゴシ磨きをやめる・歯ぎしり食いしばりに気をつける・酸性の飲食物の取りすぎに注意等)ことで、軽度の場合は改善されることがあります。これで改善しない場合はコーティング剤などを歯に塗布します。この表面の保護だけでは治まらない場合、詰め物をして炎症が治まるのを待ちます。これでもよくならない時は残念ながら神経を抜かないと痛みは止まりません。結果的には大きな虫歯を治療する時と同じ処置になります。
知覚過敏もむし歯、歯周病同様、歯科医院でのメインテナンスとセルフケアがとても大切です。適切なブラッシング法をプロに教わったり、クリーニングをうけてご自分の歯を守っていきましょう。